[読書メモ]『注文の多い翻訳家』

p32
フィンランド語には第三人称に男女の区別がないのだ。

p43
常々防衛費は収入の1パーセント枠内におさめることを旨としている私

p48
ヘルヤの作品の前には、「われものですから、さわらないで下さい」という表示はいらない。むしろ、作品に手を触れない人がいたら、彼女は不満に思うだろう。

p63
厭味を言うだけなら、記事など書かないほうがいいと私は思う。否定してもかまわないが、それならもっと読者を納得させるような論調があるはずだ。

p74
特殊言語の翻訳家は、たまには布教活動もしなければならない。

p77
自分に投資する私、走り回る浪費家

p80
エジプトではお菓子とコーヒーを一緒に口にすることはないという

p128
すると、やっと気がついた。私が失ってしまったものが何であったか。東京の生活で冒されてしまったものが何であったか。常に新しいもの、より複雑なものが出現する東京では、ごく単純なものを楽しむ心など、とっくの昔に文明の波と商業主義に奪われてしまったのである。いちばん恐ろしいのは、単純さの中にある美までも葬り去ってしまったことだろう。

p138
地球を破壊する力のある核なんて絶対にいらないのだ。人間に必要なのは、知恵のみである。

p148
何かにつけて一億総パニックに陥る日本とは少々様子が違うので、私はずいぶん驚いた。

p147
(日本やアメリカのような)センセーショナルな報道と自らパニックを好む国民性

p152
今の 18 歳の若者たちには、そんな考え方はあまりにも唐突なのである。

p156
その国の美術を理解するには、今まで学習した価値観は捨てなければならないと思った。

p159
気分が晴れないという意味では、暗闇は否定的なこと以外のなにものでもない。だが、心が浮つかないという意味では、落ち着いて何事かを成そうとする者にとって、歓迎すべきことでもあるのだ。

p186
二次元から三次元へと進み、さらに四次元の問題に直面しているが、化粧品だと思う。メイクアップが本格的に導入されたのは、昭和初期マネキンガールとして有名だった駒井玲子が「立体化粧」を提案してからだ。日本人の顔に今までなかった立体感を出そうというねらいで、それまで二次元の世界に顔をうずめていた日本人が、やっと三次元の美に目覚めたのだ。

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