『アイデア大全』

p19
イライラの種を書き出すことは、健康や幸福感を改善するだけでなく、アダムスによれば、創造力や発明心の優秀な着火剤を蓄積することにもなるという。

p87
「今ここ」の出来事だけを考えるよりも、より大きなスケールを視野に入れることで、思ってもみない影響からの不意打ちに備えることができる。

p107
「なぜ?」を重ねて、出来事の原因を掘り下げていくと、問題の所在は自分のみの周り/受け持ち範囲を超えていく。

p111
5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)という質問のセットは、英語圏ではしばしば the Kipling Method と呼ばれる。

p119
我々の創造性を押しとどめるのは1つは恐れ、もう1つは固着である。

p137
失敗は通常避けるべきもので、その可能性を突き詰めて考えることは少ない(チェスや将棋のプレイヤーが負ける指し手の先を追及しないように)。

p146
私淑(直接教えを受けることはできないが、ある人をひそかに尊敬し、模倣として学ぶこと)

p154
バーンは人間の精神には子供の頃の経験によって形づくられる P(Parent)、A(Adult)、C(Child)の3つの自我状態があると仮定した。

p301
意識的に問題に取り組んだ後、そしてしばらく問題から離れた後に訪れる天啓(てんけい、illumination)こそが重要であること。

* * *

『問題解決大全』

p38
なぜ多くの問題は認知されずに見過ごされるのだろうか。

p47
目標が必要になるのは、集団で事に当たる場合である。

p67
組織のトップにとっては自ら設定する<目標>であるものが、中間管理職にとっては受け入れるしかない<制約条件>になる。

p108
問題解決には、アイデアとは異なり、新奇さは必ずしも要求されない。創造的であることも必須ではない。

p110
我々は文字を扱うことができ、時間と空間を越えてその知識を伝え、蓄えることができる生き物でもある。

p111
しかし現実には、図書館を問題解決に活用する人は多くない。

p111
問題解決のために、自ら既存の解決策を探してみる人自体が少ないのである。

p118
力まかせ検索(Brute-force search)

p133
たとえば物理学には、そこらへんの紙切れに(たとえば封筒の裏に)さっと走り書きして概算して問題を考えることをいう “Back-envelop physics(封筒裏の物理学)” というステキな言い回しがある。

p147
「沈黙のブレインストーミング」とも言われ、寡黙で口頭での自己主張が苦手なドイツ人向けに仕立て直したものとのフォークロアがある。

p147
発言を制限し、書くことで意見を発表するようにしたおかげで、①ブレインストーミングのように、声の大きなもの、押しの強いものが場と時間を占拠する危険が少ない、②同時並列的に作業を進めることが可能となり、何人でも(文字通り何十人でも何百人でも)できるスケールフリーな手法、となった。

p156
知識が深まるに従って、知識の量が増えるだけでなく、知識を構成するネットワークの再構成が起こると考えられる。

p187
機会費用とは、我々が何かを選んだ際に、選ばれなかった(捨てられた)選択肢のうち最善のものの価値を指す。

p189
金銭的支出が伴わない場合、費用はかかってないと思いがちである。

p190
一般に我々は機会費用について考えるのが苦手である。[…]経済学上の費用は、実際の出費(out-of-pocket costs)と機会費用とを同価値(equivalent)のものと見なすが、実際の人間は損失(=実際の出費)のほうをはるかに嫌う。

pp208-209
スタンフォード大学のジョン・ペリーは、最も重要な仕事を最後に回すことで、それより重要性は劣るがやらなくてはいけない仕事をどんどん片づけていく「構造化された先延ばし(Structured Procastination)」を提唱している。

p223
どれほどすぐれた解決策も、実施されなければ絵に描いた餅で終わる。

p251
行動や反応をひたすら記録し直すだけでその行動・反応が改善するのは驚きだが、セルフモニタリングにはそれ以外にも効果がある。

p268
なぜ(わざわざ)、解き終えた問題にもう一度取り組むのか?

p278
根本原因を削除することをもって解決する<外科手術>的な問題解決は、<患部>のように問題を局所化できないと用いることができない。

p278
とくに社会の中で生じている問題は、社会を形づくっている人びとの間の相互行為から発生している。

p287
ヒトは、事実そのものよりむしろ、事実に付与された意味に反応する生き物である。

p312
「自分」を変えることで何らかの成果を得ようとすることは、喩えるなら、スピードメーターの針を動かして自動車を加速させるようなものである。

p348
白黒で世界を塗りつぶすのではなく、もっと詳細に見る必要がある。