[読書メモ]『回想のシャーロック・ホームズ』
- シャーロック・ホームズ , 読書
- 2018/03/13 Tue 06:48
p10
じつをいうとね、これは新たな証拠をつかむことよりも、むしろ、すでに知られている事実をいかに取捨し、選択してゆくか、その点にこそ推理という技術を生かすべきだという、そういう事件なんだ。
p11
問題点をはっきりさせるのには、他人にそれを語って聞かせるのがいちばんだし
p35
わかっただろう、想像力の値打ちってものが
p42
やあグレゴリー君、きみはいつでもぼくのほしいと思うものを、先まわりして用意しておいてくれるんですね。
p61
眠れないというのは、根を詰めて働くのより、いや、ときには遊びが過ぎた場合などよりも、もっと体にこたえるものです。
p98
あちこち事務所を駆けずりまわったおかげで、靴底もすっかりすりへっちまいましたが
p99
見た目にいちじるしい問題がないかぎり、すぐにでも勤務についてもらうというんです。
p112
その夜7時、私たち三人は問題の会社の事務所をめざし、肩を並べてコーポレーション街を歩いていった。
p173
自分の頭ひとつで食ってるというところだよ
p196
自分がおなじ状況に置かれたら、どんなふうに問題に取り組むだろうかを想像してみる。今回の場合、ブラントンの知力が文句なく第一級のものだとわかっているので、そのあたりはだいぶ容易になる。
p208
こうして見ると、ぼくもまだまだ勉強する余地がありそうだ
p209
運命はきみに味方しないようだな、ワトソン
p215
何事も確かめるのが大事ですから。
p225
わが相棒が故意に私に罪をなすりつけるような真似をするのも、なにかわけがあってのことだとわかっていたからだ。
p230
ぼくはいつの場合も、先入観はいっさい持たないことにしていますし、事実が示すところ、すなおについてゆくことをこそ信条としていますから
p242
私も向こうが本題にはいる気になるまで、辛抱づよく待ち受けた。
p256
まずお茶を所望した__動揺している女性がよくやることだ。
p306
いつしか私は彼を、天涯孤独の寂しい身の上と信ずるようになっていたのだが、そんなある日、当のホームズがいきなり兄弟がいることを話しだしたのだから、私はのけぞるほど驚いたのだった。
p356
そう言ってホームズは、シャツのカフスに何事か書きつけた。
p356
これまで彼が自然の事物に強い関心を示すのなど、ついぞ見たことがなかったからだ。
p379
しかしね、ホームズ君、条約を盗みだした賊が、ただそれを額に入れて飾っておくとも思えないのだが
p396
コップのコーヒーを飲み干したホームズは、おもむろにハムエッグの攻略にとりかかった。
p425
まるでこっちが犯罪者みたいだな。
p445
「ねえワトスン、いよいよ出かけなきゃいけなくなったようだよ」というホームズの言葉で始まる、第一編短編集に収められた最終話「ぶなの木屋敷の怪」以来半年ぶりに再開することになった新シリーズへの意気込み__というか、半ば諦観(ていかん)気味の宣言のように感じられる。
p446
だが、私は細部に拘泥(こうでい)しない。人はときには傲慢にならねばならないのだ。
p451
背に曲がった男[…]この事件には<ベイカー街少年隊(ベイカー・ストリート・イレギュラーズ)>がちょっと顔を見せる。ホームズが浮浪児を集めて捜査の手伝いをさせていたグループだ。『緋色の研究』と『四つの署名』に登場するが、短編では本編にしか姿を見せない。
p452
ギリシャ語通訳[…]『回想』収録作品中、最もすぐれたアイディア・ストーリーである。外国語通訳、という行為のなかに直接会話を取り交わしている両人だけに通じるコミュニケーションを挟む、という思いつきは秀逸だ。