[読書メモ]『好奇心の赴くままに ドーキンス自伝I』
- 読書
- 2017/06/22 Thu 11:00
p37
「どうぞよろしく、クリントさん」。この友好的な入国審査官は、英国人がときに、家名(姓)を初めに書いて、そのあとに、両親が呼び名としてつけた名前を書くのを知らなかったのだ。
p43
私はメイドを名字で呼ぶ習慣を奇異に感じた[。]
p150
夜に激しい雷鳴(らいめい)が轟(とどろ)くときには、ギャロウズは、最年少学年の共同寝室に上がっていって、伝統のスイッチを入れ、恐怖におののいていたのかもしれないチビッ子(テディベアが許されるほどに小さかった)たちを安心させた。
p162
彼は通学生徒(デイ・ボーイ)で、つまり毎晩、自分の家に逃げて帰れることを意味した__校門を出てからもフェイスブックやツイッターで追っかけられる今日のいじめの犠牲者とちがって。
p232
まず説明しておくべきは、オックスフォード大学がカレッジ “連邦制” の大学だということである。
p239
オックスフォード大学が私をつくりあげたと書いたが、本当は私をつくりあげたのはその個別指導(チュートリアル)システムであり、これはたまたま、オックスフォード大学とケンブリッジ大学に特有のものだった。
p239
考えるための配慮がまったく残されないまま奴隷のようにノートをとることは、なんの意味もない。
p240
講義は刺激を与え、思考を呼び起こすべきである。
p253
22 歳というかなり奥手の年齢まで、最終的に童貞を失うことがなかった。[…]一生物学者としては、性交を生命がつねに提供できる最高の体験の一つにするような形で神経系が進化した理由を説明するのは難しくない。
p392
コンピューターのワープロができる前の時代に、本を書くという重荷を私たちみんながどうして耐え抜けていたのかを、いまとなっては理解するのが難しい。
p393
不思議なことに、コンピューターのワープロが導入されてのちも、文章の書き方が全体として改善されている気配は見られない。なぜなのだろう?
p423
彼が一時期ひどい吃音に悩まされていたというのもはじめてくわしく知った(どこかでチラリと書いていたような気もするが)。文筆における能弁からはまったく想像がつかない。