僕が英検をやめた理由&合格の秘訣

僕が英検を初めて受けたのは中学生のころだった。当時から英語が好きだった僕は学校で開催される英検を定期的に受けていた。

当時英検対策用のプログラムが入ったガジェットが販売されていてそれをほしいと親に言った。代わりにパソコン用の英検対策のアプリケーションが使える CD-ROM を買ってもらった記憶もある。

現在僕は英検準1級を所持している。大学4年生のときに取得した。

その後大学院生になってもサラリーマンになってからも、英検1級を繰り返し受験し、不合格になっている。

しかし 2015 年に最後の受験をして以来、現在はもう英検を受けるのをやめた。理由は英検なんて受けても意味がないからだ。

まず英検1級は難しすぎるから。

準1級程度なら、それなりに英語ができる人ならあまり勉強しなくても合格するだろう。僕の高校生の甥は準1級を取得している。

でも英検1級は、そうとう勉強にコミットしなければいけない。コミットしても難しい。佐藤優さんも以下のように言っている。

「あと、英検1級は要らない。難しすぎる。あそこまで高度な英語は、高度な専門家以外には必要とされない。だから、英検準1級のところまでいったらもう落ちませんよ。それから次の語学学習に入ればいい。/もし子どもに使える英語を習得させるんだったら、英検準1級をいかに早くクリアさせるかということがポイントとなります。これは早ければ、中学3年ぐらいで行けますから。」
–『最強の子育て』(佐藤優、井戸まさえ、p73)

英検1級の難しさもあるけれど、英語そのものの難しさもある。

多言語学習者が言うには、他の言語と比べて英語は特に難しいという。一見簡単そうなのに。文法が複雑化しているせいで、いろいろと運用上のトリッキーな問題がある。その点意外とその他の言語のほうが習得しやすい。

また英検はしょせん日本ローカルな検定試験だ。国際的には何の価値もない。英語という世界へツールを身に付けるために日本ローカルな試験を受けてどうするんだ。英検は無駄だ。

そして僕が一番英検、そして資格検定全般に意味がないと思うのは、「人に認めてもらう」というメンタリティーであることだ。

自分の価値は自分で決めるものである。誰かに認めてくださいというリアクティブな態度は泥沼化する。人生はプロアクティブでなければならない。

資格試験の運営側にはシステムの歯車にさせようという意図がある。一時期僕が受けていたけん玉検定がいい例で、結局検定を受けることはけん玉協会の奴隷になることだった。

システムの奴隷になってもお金が増えない。資格を目指して心身をすり減らしてもお金が貯まらない。システムの奴隷とはそういうものだ。

英語は所詮ツールである。ツールである以上、英語はゴール達成の手段にすぎない。

なのに英語そのものに消耗している人が多すぎる。英語が消費の手段になっている。「英語が好き」「楽しい」というシステム側に都合がいい論理に振り回されてはいけない。

僕たちがやるべきなのは、英語による消費ではなく生産である。英語で何をするか、何をしたいかのゴールを明確に持ち、それを今すぐ実践することだ。そのゴールが見当たらないならあなたにとって英語はその程度のものなのだ。英語が必要なゴール設定を、今英語を学んでいるどれくらいの割合の人ができているだろうか。

英語ができれ便利だが、これだけ英語学習者がいて、かつそれなりに英語が分かる人が多い日本において(本当に英語ができる人は少ないが)、英語ができても自分の価値は高まらない。

僕ならその他の言語を学ぶ。日本語や英語以外の言語はブルーオーシャンである。ちょっとできるだけで簡単に他の人が求める能力を提供できるようになる。例えばルクセンブルク語が分かる日本人は日本に数えるほどしかいないだろう。「ルクセンブルク語なら僕に任せて!」と簡単に言える。かつ前述のように英語ほど難しくなく習得しやすい。

それでもどうしても英検をやりたい人へ。英検合格の秘訣は、短期集中型で 「次に必ず合格する」という気持ちで望むことである。数ヶ月間、それこそ一日中英検対策だけをすればいい。英検に限らずたいていのことは 100 日あれば身に付くようになっている。英検対策という限定されたスキルなら本気で数ヶ月やれば合格できる。

多くの人はダラダラとやっているから泥沼化する。「いつか合格すればいいな〜」などとゆるい気持ちで受験していては合格できるわけがない。「1年後の合格を目指そう」と受験日を先延ばしすることも言い訳にすぎない。次の受験日に受けよう。長期戦になるとモチベーションが続かない。

でも結局はモチベーションが続かないのはゴール設定の問題だ。そこまでして英検に合格したいという内的な動機がない限り、英検はいつまで経っても合格できない。

今の僕は英検を受ける奴はバカだと思っている。でもだからこそ、あえて受験してみるのもいいかもしれない。コンフォートゾーンを抜け出すためにも、「あえて」を作り出すことは大事だ。アティチュードを変えるいいチャンスだ。

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