[読書メモ]『知の技法』

p5
大学においては、これこれの個別な学問知識を学ぶよりは、普遍性へとみずから言語を開いていく仕方や作法を身につけることのほうが、はるかに肝心なのです。あるいは、別の言い方をすれば、ある対象についての知識をどれほど仕入れようと、それが普遍性へと開かれた表現の手続きに結びついていなければ、それは大学における知の行為とはならないのです。

p76
翻訳はひとつの、完璧に到達するのは無理であれ完璧をめざすことにはそこそこ意味がある、そこそこに知的な、かつそこそこに面白い作業である。それくらいにまとめておくべきでしょう。

p213
自分の主張のないものは論文ではない。

p214
他人の業績を無断で使ったものは「剽窃」であって、これを論文とすることなど論外です。日本の大学生に、「剽窃」についての意識が希薄なのは残念です。

p218
文献資料は、そのままでは死んだ素材に過ぎません。資料をどのように解釈しどのような意味づけを与えるかは、研究者自身の根気と注意深さにかかっています。

p223
ジャルゴン(ある専門家集団にだけ通用する特殊な専門用語)

p236
焦点のはっきりした内容を話すこと

p236
よい発表とは、話に筋が通っている、話が明快である、話が簡潔である、話し手の熱意が伝わってくる、といった特徴を備えています(悪い発表の特徴はこの正反対です。各自、言い直してみてください)。

p247
手抜きをしたいという誘惑は人に普遍的な性向です。しかし、努力をした人を評価する人間がどこかにいるということもまた事実です。最低の努力で単位さえとればよいと考えている人に贈る言葉は何もありませんが、自己研鑽(けんさん)を積もうという人にはどんな援助もしてあげたいと思います。

p252
PPD という言葉を知っていますか? Post-presentation Depression の略語なのですが、「発表後の落ち込み」とでも訳しておきましょう。

p270
では意見を作るのにはどうしたらよいのでしょうか。第一に心がけることは良く聞いて、「同意しない」ことです。

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