[映画]『ファーストキス　1ST KISS』

外国人への日本語レッスンのあと、上映開始時間ギリギリで映画館に行った。

映画『ファーストキス　1ST KISS』公式サイト
https://1stkiss-movie.toho.co.jp/

予告編を観た感じあまり期待していなかった。

安っぽい。ディテールがいい加減。こんな漫画みたいな演技はダメだよ。

タイムトラベルで車が凍っているのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマネ。車のボディーを触って「あちっ」と言うのに、直後に車のドアハンドルを普通に触っている。いい加減だ。

前半は NG ポイントばかりが気になり、ダメダメな感じだった。でも後半から主人公に感情移入してきた。そしてラストに近付くにつれてボロボロ涙が出てきた。

何度も同じ時間を繰り返すからタイムトラベルものではなく、タイムループものとも言える。

相手の話し方が嫌いなのは、相手を嫌っているということ。夫婦喧嘩の内容がリアルすぎて観ていてつらかった。

主人公たちの年齢や結婚 15 年目という設定が結構自分と近い。これも感情移入した理由だ。妻に「ごめん」という気持ちになってきた。

先日観た『知らないカノジョ』もそうだけど、うまくいかなくなった夫婦がやり直す話はグッと来る。

タイムトラベルもの映画の教訓はいつも逆説的だ。「タイムトラベルなんてできないし、やり直しもできない。だから今を一生懸命生きろ」と。僕はこれまで「しょせん映画の中だけの話」と否定的な態度でいた。でもちょっと違う気がしてきた。僕はこれまで何度も人生で方向転換をしてきたので、やり直しなんていくらでもできると思っている。過去は変えられないけど、未来は変えられる。未来のやり直し、つまり再スタートはいつでもできるのだ。この映画でそれを再確認し、希望を持てる気がした。

参考：
[映画]『知らないカノジョ』
https://dokusho.nary.cc/post/2025/2025-03-01_film-review-shiranai-kanojo/

松たか子が嫌なおばさんとチャーミングな女子の両方を演じ分けているのがいい。

映画のタイトルはもうちょっとひねったほうがいいんじゃないかな。

説明不足ゆえに分かりにくいところがいくつかある。大学教授になる道を選ばなかった理由を教授からのハラスメントが原因だともう少し明確に描くべきだ。夫が死ぬと分かっていても人助けを決心をする理由は夫の性格ゆえなんだろうけど、それも分かりにくい。また夫は、「夫婦仲が悪くなると分かっているのに、なぜ僕を助けに来たのか」というセリフが必要。妻がなぜわざわざ過去に戻って夫を救おうとしているのかは、この映画の根幹となる部分なのに。

細かい気になる点があるものの、現時点で今年ナンバーワンの日本映画になった。

２、３月はバレンタインデーとホワイトデーがあるからか、日本映画はロマンス映画が多く公開されている。

評価：5/5

鑑賞日：2025-03-09（日）14:30～16:45
映画館：TOHO シネマズ赤池
スクリーン：スクリーン１
座席：指定席
料金：2000 円（オンライン予約）

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