メイドカフェが一般化したのは『電車男』が TV ドラマ・映画化されたときだとおもう。僕が大学生の頃だから 20 年前だ。どういう場所かを知ると「自分には到底行けない場所」だった。

しかし近年は息子と出掛けることで「一人では入れないお店」にどんどん行くようになり、メイドカフェにも行ってみることにした。自分には無理だとおもっていたが一度は行ってみたかった。

参考:
[子育て] 子どもがいると一人ではできないことができる · 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2023/05/09/going-out-with-4-year-old-son-widen-my-comfort-zone/

行くと決めてウェブ検索してみた。4歳の息子が行っても大丈夫そうな刺激が少ない、普通のところを探したら、「めいどりーみん」が良さそうな気がした。ウェブサイトの写真でも子どもの写真が載っているし、「よくある質問」のページでも子どもも OK と書かれている。

メイドカフェ・メイド喫茶【めいどりーみん】| 秋葉原、大阪、名古屋、小倉、他全世界20店舗展開中!
https://maidreamin.com/

メイドカフェめいどりーみんの料金システムについて|秋葉原、大阪、名古屋、小倉、他全世界20店舗展開中!
https://maidreamin.com/first/charge.html

メイドカフェ・メイド喫茶「めいどりーみん」のよくある質問
https://maidreamin.com/faq/

名古屋では複数の店舗があるチェーン店だが、行ったのは「名古屋 大須招き猫前店」だ。

名古屋 大須招き猫前店|メイドカフェ・メイド喫茶ならめいどりーみん
https://maidreamin.com/shop/detail.html?id=13

お店に着くと店の前に一人メイドさんがいて、案内してもらえたので入りやすかった。

入店前に説明があり、「ご入国料金」として大人は 880 円掛かるそうだ。入店料のようなものだ。小学生未満である息子はご入国料金は無料どころかアイスクリームが付いてくる。やはり子どもも行きやすいメイドカフェのようだ。

ご入国料金は1時間あたりの料金なので、1時間以上いるとまた追加で掛かるはず。アイスクリームもまたもらえるのかな(たぶんもらえない)。

席はどこでもいいと言われた。息子と食事するときは、食事の手伝いがしやすい横並びができる席にしているので、4人席のテーブルにした。

席に着くと最初に「パスポート」を渡され、メイドさんに自分をどう呼んでもらいたいかを記入することになる。どういう呼び名があるのかと聞いたら、「〜ぴょん」「〜ニャン」とかがよくあるらしい。息子は「{名前}+ぴょん」、僕は普通に「ご主人様」にしてもらった。しかし実際はこの呼び名システムは活用されておらず、その後は僕は(一般的に使われる)「ご主人様」、息子は「王子様」と呼ばれていた。


パスポート。

注文は最近よくある、スマートフォンのカメラで QR コードを読み取って、ブラウザから注文するタイプ。テーブルの上にメニューが置かれているがメニューが分かりにくい。僕らはもともとオムライスとデザートを食べるつもりでいたが、さらにドリンクが付き、一緒に写真も撮ってもらえる「フルコース」にした。

フード、ドリンクメニュー|メイドカフェ・メイド喫茶【めいどりーみん】秋葉原、大阪、名古屋、小倉、他全世界20店舗展開中!
https://maidreamin.com/joy/menu.html


QR コードオーダー。

息子は食事を残すことが多いので、最近は息子分のみを注文し、その残りを僕が食べるようにしている。だからフルコースのみを注文しようとしたが、ドリンクは1人1オーダー必要だという。追加でドリンクを頼んだ。

注文後は「ニャンニャン」と言うように言われていたが、どのタイミングで言えばいいんだろうか。そもそも個別にテーブルでスマートフォンから注文しているんだから、大声で「ニャンニャン!!!」と言うべきなんだろうか。とりあえずスルーしていた。

オムライスが届いたときに、デザートは食後でいいかと聞かれてそのように言ったのにオムライスを食べている途中でもうデザートのパフェとアイスクリームが来た。息子がタコさんウィンナーがほしいと言うので、追加注文をしていたので、結局すべてがテーブルに出ている状態だった。息子は食べるのに時間が掛かるのでアイスクリームが溶けてしまう。

息子の食事に時間が掛かる理由がもう一つあって、それは何度かあるライブのためだ。息子は妙に一生懸命に見ていて、それで食事が止まる。ライブ中は店内の照明が暗くなり、ミラーボールが回ったりして息子が面白がっていた。ライトスティック(後述)もちゃんと振っていた。ただ、小さい子どもにはちょっと音量が大きいとおもった。

オムライスが届いたときには、ケチャップでのお絵描きをしてもらえる。イラストはリクエストできるのでとりあえず猫にしてもらったが、コロ助のぬいぐるみを持っていたのでそれを描いてもらえばよかったかな。その時はそこまで頭が働かなかった。

オムライスは息子は気に入ったようだ。口の周りにソースがたくさん付くので子ども用の小さいスプーンがほしかったが、どのメイドさんも接客やらで忙しそうで呼べず。ウェットティッシュを大量消費してしまった。


オムライス。猫を描いてもらった。


タコさんウィンナー。ちゃんと顔も描いてある。


パフェ。


子どもがもらえるアイスクリーム。

食事がテーブルに届くたびに、メイドさんと「美味しくなりますように」の魔法をする。大きくハートを指で描いて、手を組んでお願いをする。でも息子は緊張のためか、人見知りのためか、やりたがらない。僕だけが微妙な感じでジェスチャーを頑張った。

「美味しくなりますように」の魔法だけでなく、息子はメイドさんと一緒にやるジェスチャーや掛け声はすべてやりたがらなかった。僕もテンションは高い方ではないので、お店の人もやりにくい客だっただろうとおもう。そんななかでも話し掛けてくれて、このあと動物園に行くと言うと「どの動物が好き?」と息子に聞いてくれたり、「髪の毛がサラサラで天使の輪っかができているね」と言ってくれたりした。天使の輪っかとはライトが髪に反射して輪っかのようになっている状態だ。初めて気付いた。客のことをよく見てくれるのはいい。

メイドさんは何人かいて、テーブルには代わる代わる来るので全員に会えたとおもう。今は何かの企画で、メイドだけではなく軍服風のコスチュームの人もいた。

入店するまでは、「メイドカフェって今でも流行っているのかな」とおもっていたが、平日の昼食どきに行くとそれなりに客が入っていた。一人で来ているオタクっぽい男性がちらほらいたり、本気でメイドさんが好きっぽい若い女性が来ていたり、冷やかしで来ているっぽいカップルもいたりした。

くじ引きのゲームみたいなものもあった。ハズレなしのくじで、商品はグッズがもらえたり、メイドさんと写真が撮れたりする。何かもらえたら息子のテンションが上がるかなとおもってやってみた。カチューシャと缶バッジ、ライトスティックが当たった。


オリジナル缶バッジ。あとで水で洗うとにじんだ。


ライトスティック。


ウサギ耳のカチューシャ。

このくじ引きはテーブル一つ一つをまわって「やりますか?」と聞かれる。もちろん有料だ。それ以外にもライブパフォーマンスを追加でやってもらえたりする有料オプションがあったりする。最初に入店料があったり、よく分からないうちに追加料金が発生したり、キャバクラっぽいなとおもった。

コースメニューに含まれている写真撮影は、ポラロイドカメラか自分のスマートフォンかどちらかを選ぶが、スマートフォンにした。好きなメイドさんと一緒に撮ってもらえる。「誰と一緒に写真を撮りたいですか?」と聞きに来たメイドさんとは別のメイドさんを指名するのはかわいそうな気がして、聞きに来たメイドさんを指名した。偶然、最初にお店の前で案内してくれた人だった。


デジタルフォト撮影券。

撮影はテーブルでするのかとおもったら、ステージの上だった。ステージまで移動する際も、息子は「何事か」と僕の手をしっかり握っていた。撮影時は息子がまたもやメイドさん指定のポーズを嫌がるので、普通にピースにしたらやっと笑ってくれていい写真が撮れた。

撮影がステージでみんなの前で行われることもそうだし、個別に誕生日を祝ってもらっている人もいたようだし、ライブもあることだし、どうやらお店全体で盛り上げていくのがメイドカフェというものらしい。

パフェとアイスクリームを食べ終わると「ご出国」、すなわちお帰りだ。テーブルで PayPay 払いをしてもらった。フルコース、ドリンク、タコさんウィンナー、くじ引きゲームで、7568 円だった。

お店自体のことではないが、ウェブサイトが分かりにくいとおもった。メニューがごちゃごちゃしている。それと、今回の店舗はお店の外観や内装はウェブサイトでは別の写真が使われている。Google マップの口コミの写真のほうがイメージをつかみやすいだろう。

Google マップの口コミといえば、Google マップの口コミにレビューを書いてくれないかと頼まれたが、あれを書くことのメリットは僕にはないので断っておいた。

コスチュームはメイドカフェのコンセプトによって変わるだろう。他にも「ご入国」「ご出国」という呼び方があったりローカルシステムに混乱するかもしれない。でも、おそらく入店料を取られたりといった基本的なシステムはどこも同じはずだ。おそらく日本好きの外国人を連れて行くと喜びそう。このお店のように子どもも連れて行きやすいお店もある。メイドカフェというものがどういうものか分かってよかった。

初めてのメイドカフェで息子も僕も緊張した。居心地が悪く、ノリが悪い二人だった。でもそんな客にもメイドさんは一生懸命にサービスをしてくれたのは嬉しかった。それと一緒に撮った写真を見返すと、「楽しかったかも」とおもえた。これまで「行くのは絶対無理」だった店に(息子と一緒とはいえ)行けたこともすばらしいことである。

お店を出たあと息子に楽しかったかと聞くと、「楽しかった」だそうだ。実は楽しんでたのか。

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