4回目の鑑賞。上映時間の都合上、近くの映画館ではなく遠くの映画館まで行った。本当は時間的にも交通費的にも近場で済ませたいんだけど。

参考:
[映画]『正欲』 · 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/post/2023/2023-11-13_film-review-seiyoku/

[映画]『正欲』(2回目) · 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/post/2023/2023-11-23_seiyoku-2/

[映画]『正欲』(3回目) · 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/post/2023/2023-11-27_film-review-seiyoku-3/

魂が触れ合える仲間を見つける話だからグッと来る。

冒頭で部屋が水でいっぱいになるシーン。最初観たときはなんだかよくわからなかった。でも、ガッキーが足をくねらせていたり、カーテンを閉めていたり、カメラが股をいやらしく撮っているところからも明らかなように、あれは完全に性的に興奮してる女性だよね。

みなさん、ガッキーのオナニーですよ!

同様に大学生の彼が部屋で裸になっているシーンも完全にマスターベーションをしてる男だ。最後に「ふぅ」とか言ってくれればわかりやすいんだけど。そしてそのあとの涙は、ある種の「賢者タイム」だろう。

特にガッキーのシーンは幻想的な映像で分かりにくくなっているし、上品な日本映画なのでぼんやり観ていたら単に「何あれ?」とスルーしている人も多いはず。

嫌だなとおもっているときにガッキーが死んだ表情になる。あの演技はすごくリアルだった。僕もサラリーマン時代によく作り笑いをして顔がひきつることがあった。

嫌がっているのにそれを察しない無神経な連中に苛立つ。冒頭の、誘われた野球を断るシーンで首をかしげる奴。同窓会で、聞こえるような小声で「レアな奴からのコメント!」と言う奴。そういった、本人は面白いと思ってやっている言動に傷付けられている人はいる。そして面白いと思っているからこそ本人は自覚がない。

ほんらいは、嫌なら嫌と言わなければいけない。「ノー」と言う勇気を持つ。でもこれができる人は少ない。だからこそ僕は日頃から「嫌だ」と言う訓練を心掛けている。嫌だと言うことで人生が自分のものに変わる。

「死んだカエルみたいじゃない?」と言うときのガッキーが緑色の服を着ているのはギャグだよね。稲垣君が最初に新聞記事を読んだあと水を飲むのはギャグだよね。大学でプレゼンの準備をするシーンで、女の子は真剣に話しているわりに服がロブスター。そのキャップが面白い。ある種ギャグだよね。このように、日本映画はクスリと笑うような笑いがうまい。

ガッキーの広島弁がグッと来る。僕は名古屋に住んでいて広島弁をまず使わない。だけど感情的になるときは広島弁が出ることがある。普段抑えている方言が出るときというのは何か特別なときなのだ。

僕の長い映画館通いのなかで、日本映画で映画館で3回観た映画は『ハッピーフライト』『悪人』だけであり、それ以上の回数を観たのは『ちはやふる -結び-』の5回がマックスだ。4回観た『正欲』は特別だ。僕のことだから、もう1回観に行くような気がする。

以前の鑑賞の際、ラストのガッキーと稲垣君の対決シーンで画面が1秒ほど真っ暗になると書いた。「いなくならないから」のあたりだ。映像上の演出かなとおもっていたが、今回別の映画館で観ると暗くならなかった。どうやら最初の映画館は上映ミスのようだ。今度その映画館(TOHO シネマズ)でスタッフに聞いてみよう。映画館通いは相当しているけど、上映ミスには滅多に出合えないからラッキーだ。前回指摘した映像と音のズレも今回は少なかったから、そのことも聞いてみようか。

前から3列目に座った。真後ろに通路があるので他の観客が気にならないベストポジションだ。ただスクリーン位置が高いのでやや画面の歪みが目立った。1列目だとキツいかも。

背もたれが低い。

本編前の広告で、自分のシネアドを出せるサービスや、貸し切りってプレゼンやブルーレイ上映ができるサービスの案内もあった。

シネアドの音量が大きい。

発券端末ではオンライン予約のチケット発券だけでなく、その場で購入もできる。僕はチケットの発券だけをしようとおもったら、最初から購入画面になっていた。でも、トップメニューに戻る方法がどうしても分からなかった。たぶん UI 設計のミスだろう。放っておけばトップメニューに戻ると信じて、僕は隣りの端末で発券した。

評価:5/5

鑑賞日:2023-12-03(日)10:50~13:17
映画館:ユナイテッド・シネマ阿久比
スクリーン:スクリーン3
座席:指定席
料金:1000円(オンライン予約、2ポイントで 1000 円鑑賞)

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