かつでは「デジタル・デバイド」という言葉があり、コンピューターを使える人と使えない人の差が大きくなっていると言われていた。あのときは若者が使えて年寄りは使えないという構造だった。

でも現在は再びデジタル・デバイドが起きている。スマートフォンがあっという間に普及したことで、家にパソコンがない人が多数なのではなかろうか。あるいは持っていてもずっと起動していないとか。

スマートフォンをいくらやってもパソコンの能力は高まらない。スマートフォンが普及し、若者ですらパソコンが使えなくなっている。

スマートフォンがあれば十分という人は多いだろう。でも、しょせんスマートフォンは消費の道具である。生産のために使うツールとしては非常に限られている。スマートフォンばかり使っている限り、ますます消費奴隷となってしまう。

だからこそコンピューター、特にパソコンが使える人に価値が出てくる。パソコンが使えなくて困っている人が増えるということは、それだけ需要があるということだ。プログラミングができるとますます重宝される。

僕が翻訳業界に足を突っ込んでいた 10 年ほど前は、「翻訳業界は女性が多いのでコンピューターに弱い人が多い。だからコンピューターに詳しい僕は重宝される。」という状況だった。でも今はあらゆる場所で、コンピューターが使えるというだけでお呼びがかかる。スキルがある人にとってはうれしい状況だ。

Amazon.co.jp: スマホ脳(新潮新書) eBook : アンデシュ・ハンセン, 久山葉子: 本
https://amzn.to/3YzzRdX