[読書メモ]『医者はジェネリックを飲まない』(志賀貢)
- 読書
- 2021/11/24 Wed 10:13
p107
入院している場合には、どこの病院や診療所にも院内薬局があって、その薬局で内服薬や外用薬が出されます。/一方、外来にかかる場合には、今ではほとんど院外処方で、病院の外部にある薬局から、その処方箋をもとに薬をもらうことが多くなりました。
p119
人間の体には太い血管から毛細血管に至るまで、全身に血管の網が巡らされているといってもよいくらいに、血管だらけの状態なのです。その血管をつなぎ合わせると、なんと10万キロメートルに及び、これは、地球を2周半ほどする長さに相当します。
p131
種類、時間、量など、投薬の判断には、少しのミスも許されないことが少なくありません。そもそも投薬すべきか、控えるべきなのか、そう躊躇している間に患者さんが取り返しのつかない状態に陥ってしまうこともあるのです。
p131
統計を取りますと、人は一年間に平均6回ほど風邪をひきます。
p134
ひと昔前に比べると、食塩の摂取量などがずいぶん減少して、胃粘膜に負担をかけるような食事は減ってきていると思われます。しかし、世界的に見ると、やはり日本人は食塩の摂取量がトップクラスにある、と言われることもあるくらいです。
p148
よく「一病息災」などと言われて、体のどこか一カ所くらい調子が悪くて病院通いをしているほうが、全く具合の悪いところがない人に比べて長生きするのだということもあります。/なぜなら、かかりつけの主治医がいて、普段から病気の予防や健康法について、アドバイスを受けているほうが、早期に重大な病を発見して、治療することができるということもあるからです。
p149
こんなとき、多くの症状で気が滅入っているのはわかりますが、かかりつけの医師の前といえども、次から次へと苦痛を訴えるのは、少し自重したほうがいいかもしれません。/ベテランの医師なら、そうした患者さんの訴える症状の中から、治療の必要な病を的確に見つけ出し、薬の処方をしてくれるかもしれません。/しかし、経験の浅い若い医師などは、症状を聞く度に次から次へと、その症状を抑えるために薬の処方を書き、気がついたら俗に言う、馬に食わせるほどの量になっているということも起こりうるのです。
p151
薬局の売薬は、例えば風邪薬の場合など、合剤といっていろいろな成分が一錠の中に入っていることが多いのですが、病院が使う薬はほとんどが一錠一成分なのです。/なぜなら、そのほうが、病気の診断がついた場合に、治療効果が高いからです。
pp154-155
このいわゆる「多剤服用」という薬の飲み方は、たとえ年をとっても考え直さなけばならないと思います。
p163
「はしご医者」とは、酒好きの人が次から次へと店を飲み歩くいわゆる「はしご酒」と同様、患者さんが次々とかかる医者や病院を変えることを言います。
pp168-169
2018年の10月に生活保護法が一部改正されて、医療機関は生活保護受給者の入院患者に対して原則として100%ジェネリックを使用しなければならないことになりました。
p171
学用患者とは、自ら希望して新薬などの臨床試験を受ける人をいいます。
p176
かつては、投薬の期間は14日がその基準とされ制限されていましたが、2002年4月以降、この制限が撤廃され、薬の投薬期間は医師の判断によって決められることになりました。したがって、長期間薬を飲んでいる患者さんには、14日から30日、60日、90日、さらに海外への長期滞在者や船舶関係者には、180日分の薬を一度に処方することも可能になりました。
p185
血圧の標準値が下がった理由は、世界のシンクタンクの研究により、最高血圧を10、最低血圧を5下げることで、脳卒中で倒れる危険が約30~40%、また心筋梗塞では20%、その発症が減少することがわかったからです。
p195
日内変動が血圧にはつきものですから、少なくとも朝夕の2回測定をしてみて、降圧剤の効き目を判断する目安にできるはずです。