[読書メモ]『保育園は誰のもの』(普光院亜紀)
p6
認可保育園/制度上は「保育所」が正式名称。
p6
1号は保育の必要性が認められない三歳以上児、2号は保育の必要性が認められる三歳以上児、3号は保育の必要性が認められる三歳未満児。
p10
こうして保育のニーズを少しでも低く見積もろうという国や自治体の姿勢も、今日の事態を招いた一因です。[…]こうして国が旗をふって両立支援を進めてきたにもかかわらず、それに見合う保育園の整備が追いつかず、共働き化だけが思いがけないスピードで進んだのが、現在の状況です。
p19
親だけでは、子どもの権利は守れないのです。
p25
二〇〇八年、消化管内の大量出血で重体となった一歳男児への輸血を宗教上の理由で拒んだ両親について、病院から連絡を受けた児童相談所は、親権を一時的に停止するよう保全処分請求を家庭裁判所に求めた。家庭裁判所は、即日審判でこれを認め、男児は救命された。
pp27-28
保育園などの保育を利用できている家庭は、子育てに関する不安が少ないことがわかっています。
p28
そんな親たちにとって、保育園は頼りがいのある支援者です。
p37
結果を見ると、「拡」はされたけれど「充」はされていないというのが、正確な表現かもしれません。「保育園を増やす」と言いながら、施設を増やさないで子どもを詰め込む、あるいは、増やすけれどもお金はかけないことに知恵をしぼってきた二〇年間になっているような気がします。
p37
量の拡大のために子どもの保育環境(定員弾力化、保育室面積基準、園庭)を犠牲にする基準緩和が相次いで行われた。
p40
きょうだい同園とするための入園に限って、定員を超えて入園させることを認められたことが書かれています。
p47
保育士資格は、養成校卒業、試験合格など複数の方法で取得が可能ですが、試験合格者は、実習などの現場経験を経ないまま資格がとれてしまうなど、その取得過程には改善の余地があると思います。
p48
保育施設では、午睡中に「うつぶせ寝」で寝ていた子どもが死亡する事故が繰り返し起こっています。SIDS(乳幼児突然死症候群)と診断される場合が稀にありますが、SIDSは「うつぶせ寝」のときに発生率が高く、そもそもSIDS自体が原因不明の病気とされていることから、実際には窒息死であるケースも多いのではないかという意見もあります。
pp58-59
これは都市部の現状から遠い想像になりますが、希望する家庭は働いていなくても子どもを認可保育園等に入園させることができるようになったら、子育ての安心感は大きく広がるでしょう。
p60
就学前学校による幼保一体化を実現しているスウェーデンでは、親が働いているかどうかにかかわらず、一歳から就学前までの子どもに就学前学校事業を提供することが自治体(コミューン)に義務づけられています。