タイム・トラッキングを始めた3

前回、タイム・トラッキングをデジタルからアナログ路線に変更することにしたと書いた。

タイム・トラッキングを始めた2 – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2021/04/13/time-tracking-2/

その具体的な方法についてまとめてみよう。

私は情報カードを使うことにした。情報カードは 3×5 インチのコンパクトな記録用カードのことだ。ちなみに情報カードは index card と呼ばれ、世界標準のサイズである。

情報カードを使うのは小さいので持ち運びがしやすいからだ。タイム・トラッキングは家の中のあちこちで記録をしたい。情報カードならポケットに入る。ペンも持ち歩けばいいが、ペンについてはポケットに入れなくても各部屋に置いておけばいい。

まずは朝一で、今日やるタスクを情報カードに書いていく。情報カード1枚につき、1タスクである。タスクであることを分かりやすく示すため、各タスクの先頭には四角マークを書く。さらにそのタスクの横に見積もり所要時間を書く。所要時間がまったく予想できなくても、「これぐらいで終わらせたらいいな」という時間を書く。

タスクを書いた情報カードはダブル・クリップなどでまとめておくとバラバラにならずに持ち運びができる。

そしてストップウォッチも必要だ。私は首からぶら下げるタイプのストップウォッチよりも、腕時計のストップウォッチのほうが邪魔にならないので好きだ。

CASIO の CA-53W は 10 分ごとにピッと鳴るので時間を意識するのにちょうどいいと思ったが、ストップウォッチは1時間までしか計測できない。タスクが1時間以上に及ぶこともあるので使えない。

なので CASIO AE-1200WH-1A を使うことにした。ストップウォッチと同時にアナログ時計風の時計で時刻を確認できる。

参考:
[腕時計][チープカシオ] CASIO AE-1200WH-1A – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2020/09/26/casio-ae-1200wh-1a/

そして実践だ。今から始めるタスクのカードを情報カードの束の一番上に持ってくる。

各タスクを開始するたびにストップウォッチの計測をスタート。タスクが終了すればストップ。所要時間をカードにメモする。

途中で休憩をしたり、別の作業を挟んだりして、細切れに作業することも多々あるだろう。そういう場合は、個々の時間をどんどん追記していけばいい。

タスクが完了すれば、四角を黒く塗りつぶすことで、完了したことが一目瞭然だ。

最初にやるぞと決めたタスク以外にも、作業があるだろう。突発的な作業も起こりうる。それらは、<ログ>として別途カードを作成し記録する。皿洗い等の家事は所要時間が読めないので、それもログ扱いをする。そういうタスクは、先頭に黒丸を書き、<ログ>であることを分かりやすくする。

項目を立てるまでもない、あまりにも細々とした作業であれば、「その他」というログ用カードを作って、まとめて記録すればいい。

1日の終わりには、細切れに実行したタスクの所要時間を足し算して、合計時間をカードに書こう。

さらに今日やったすべてのタスクをノートにまとめるようにしている。パソコンに記録してもいいが、ここはアナログで統一してノートに書くことにした。つまり、どのタスクをどれほどの時間をかけてやったか、見積もり時間と合わせて記入する。これがその日1日のレビューにもなる。次の日の計画の参考になる。

タスクに見積もり時間を書くというアイデアは、前回のエントリーで書いたタスクシュートの方法論がヒントになった。見積もり時間と実時間を比較することで、作業時間に対する事前の感覚と現実のギャップを知ることができる。これを続けることで、より時間に対する意識が高まると見込んでいる。

情報カードを使うメリットは、現在実行中のタスクを一番手前に置くことでシングルタスクに集中できることである。

また、カードを机の上に広げることで、その日のタスク一覧を概観できる。

こうしたアナログのタイム・トラッキングでは、自作アプリでやっていたカテゴリーごとの統計が面倒になる。カードを分類して所要時間を合計する作業は手間が掛かる。でも、そもそも統計はアプリで記録していたときもあまり見なくなっていた。何度も繰り返すが、このタイム・トラッキングは具体的な所要時間の把握自体よりも、計測作業を通じた目の前の作業への集中である。統計は取れなくてもいい。

この私の方法論は「ストップウォッチ・タイムマネージメント」とでも名付けようか。

自作アプリでタイム・トラッキングをしていたときとの違いとして重要なのが、ワクワクするということだ。ストップウォッチ、楽しいじゃないですか。『新 TOEIC(R) テスト 900 点 新 TOEFL(R) テスト 100 点への王道』を思い出すが、ストップウォッチを使っていると、<アスリート気分>になれるのだ。

自作アプリを使っていたときは、Mac に常時そのアプリのウィンドウを立ち上げておく必要があったが、そういう邪魔なウィンドウも不要となった。

タスクの見積もり時間は、所要時間の予想だけでなく、<目標時間>を書いてもいい。つまり、例えば1日1時間読書したいなら、読書というタスクのカードを作り「1時間」と記入する。見積もり時間と目標時間を区別するため、見積もり時間は( )で、目標時間は< >で囲うとか、あるいは目標時間に*マークを付けるとか、いろいろ工夫しよう。

情報カードによるタイム・トラッキングを何日か続けてみて、この完璧とも思えた手法に問題点があることに気付いた。

それは情報カードを大量に消費してしまうことだ。1日に 15 枚ぐらい使ってしまう。まとめ買いをすれば安いんだけど、1行しか記入していないカードがあったりするともったいなく感じる。1日の終わりにノートに所要時間を転記したあとは、情報カードは捨てるから、たくさん消費し、捨てることになる・・・。

またカードゆえに検索が大変だ。カードをくって特定のタスクを探し出すのに少し手間がかかる。まあ 10 枚程度ならすぐ見つかるし、完了済みタスクのカードを分けておけば検索の手間が軽減されるんだけど、一覧性がよくない。いちいちテーブルに毎回広げるのもなあ。

そういうわけで現在は、情報カードではなくノートに記録している。ノートといっても、野帳というコンパクトなノートだ。記入スペースを確保できる程度に、各タスクを間隔をあけてノートに記入。ストップウォッチの記録をそこに書いていく。1日のレビューの際に、各タスクの合計時間をそこに書いている。最初からノートに書くことで、情報カードからノートへの転記作業が不要になった。

野帳というコンパクトなノートとはいえ、見開きページにたくさんタスクを書けるので、タスクの一覧性が良くなった。

野帳にはペンを挟んで持ち歩いている。このサイズのノートならポケットにもなんとか入る。

最初はアプリでやったり、情報カードや野帳を使ったり、試行錯誤を続けている。また研究を続けて最適化していこう。

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