前回、タイム・トラッキングを始め、自作アプリで作業時間を記録し始めたことを書いた。

タイム・トラッキングを始めた1 – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2021/04/12/time-tracking/

自作アプリによるタイム・トラッキングは1ヶ月半つづけた。皿洗いや洗濯といった家事の時間や、ブログを書いている時間、読書の時間、ウェブで調べ物をしている時間など、家にいる限り日常のタスクをずっと記録し続けた。

記録ができないのは、家族が関わる作業をしているときだ。オムツを替えたり、子どもをお風呂に入れたり、食事をしたりするときなど、いちいちアプリを開いて・・・なんてことができない。つまり自分一人のときしか記録できない。

記録は厳密である必要はないと思っている。自分の作業を客観視するのが目的である。実は、ここの作業時間が分かったからといって、特に深い意味はない。

ではタイム・トラッキングは何のためにやっているかというと、「今自分は何をしているのか」を把握しながら各タスクをこなすことである。別の言い方をすると、マルチ・タスキングを避け、目の前のシングル・タスクに集中するために、時間を記録するという手法を取っている。

こういう記録をしたことがなければ、「いちいちすべての行動を記録していたら発狂してしまう!!!」と思う人もいるだろう。でも実際にやってみて分かるのは、ゆったりとしたペースで目の前のタスクを行えるということだ。あれもしなきゃ、これもしなきゃと考えながら日々を過ごすのではなく、「今はこれに集中しているぞ」と思えるのだから。前回も書いた通り、タイム・トラッキングをしていると、メンタルが安定する。

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ただ、自作アプリでのタイム・トラッキングに不都合を感じるようになった。それは、いちいち Mac や iPad で入力することを手間に感じるということだ。

私はデジタル・ガジェットを愛するコンピューター好きではある。でも、何でもかんでもコンピューターで作業すればいいというわけではない。アナログの方が楽なのに、わざわざデジタルで作業をする必要はない。デジタルかアナログのどちらかがいい、というわけではなく、使い分けが必要だということだ。

タイム・トラッキングに関しては、私はアナログで記録する方がいいと感じた。理由はまだうまく言語化できないけれど、紙とペンで記録する方がしっくりくる。落ち着く。

それに気付いたのは、『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』を読んだからだ。

『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』は「タスクシュート」という Excel を使ったタスク管理術についての本だ。タスクシュート自体はずっと前から知っていたが、Excel でやるところがクールじゃなくて実践したことはなかった。

タスクシュートも日常の作業をいちいち記録する。私がやっているタイム・トラッキングと違うのは、最初にその日の予定を見積もり時刻とともに書き出すことだ。予定と実際の記録を比べるのがタスクシュートの手法だ。

タスクシュートを参考に、私も単に作業のタイムスタンプを記録するだけではなく、まずその日に何をするかを書き出し、それとタイム・トラッキングを絡めてみることにした。

となると、アプリを大幅に改良する必要がある。できなくはない。しかし、アプリをこれ以上複雑化させるなら、いっそのことアナログでもいいのではと考えるようになった。

そうすると、作業開始時刻と作業終了時刻の引き算による所要時間の計算(タイムスタンプを引き算すればいい)ではなく、ストップウォッチを使えばいいと気付く。個々のタスクの作業開始時刻/作業終了時刻を記録する必要はなく、単に個々のタスクの所要時間を知ればいいんだから。

そして何より、私のタイム・トラッキングは細かい記録に意味があるのではなく、<今自分は何をしようとしているのか>を意識することが目的である。目の前に作業に集中させるツールならば、タイムスタンプの記録であろうとストップウォッチによる計測だろうと何でもいいのだ。アナログでいこうと決めたから、ストップウォッチを使うことにしたわけだ。

長くなってきたので、続きは次回に書くことにしよう。

(つづく)