[読書メモ]『こころの暴力 夫婦という密室で』

p13
<マニピュレーター(裏で操る人)>

p14
マニピュレーターは<ダブル・バインド(二重拘束)>の名人である。<ダブル・バインド>とは二つの相反するメッセージが込められた矛盾したコミュニケーションのことで、片方のメッセージに従うと、もう片方のメッセージには背くことになる。

pp33-34
大部分の人々は、幸福な時には逆説的に疑い深くなるものである。人が幸福を感じていると、「こんなことが続くはずがない」という考えが浮かんできて心をさいなむ。こういった考え方は「自分は幸福に値しない」という誤った信条と結びついたものである。

p36
安定を求める女性は多い。この場合の安定には、感情の面における安定と同様、物質的、経済的安定も含まれる[…]。

p44
相手について、あるいはあなたと相手との関係において「何かがおかしい」と強く感じた時には、外部からの圧力や物質的なことなど副次的な事柄にとらわれずに、立ち止まってよく観察し、事実を見きわめること。/もしお互いに改善、進歩していくことが不可能なら、すぐに別れること!

p61
嘘つきを相手に本当の対話ができるというのは幻想である。

p80
マニピュレーターである夫は、妻に収入がない場合、自分にはあらゆる支出を調べる権利があると主張して、きびしく見張ろうとする。

p91
依存はやがては孤独に行き着くものである。依存者は世界に直面してどのように生きていけばよいかがわからない。そして一人になると大きな不安を感じるので、そのような事態を避けようとする。

p97
女性の被害者たちの証言に共通しているのは、男性側の快楽に関するエゴイズムである。

p102
その陰に権力を握るための企みが隠されていないかどうか見極めること。

p103
マニピュレーターは他者の価値を下げることによって、自分が優れているように見せかけるという特性を持っている。

p117
マニピュレーターの抑制できない怒りを見ると、被害者は、いつかはこの暴力が自分に対してふるわれるかもしれないと考えて恐怖を覚える。そして実際、この暴力は間接的に被害者に向けられたものなのである。破壊しようという意図は実際に存在しているのであって、ただ、それが別の対象に向けられているだけなのである。

p121
マニピュレーターがあなたをけなした時の言葉や振舞いを(マニピュレーターには見られないよう
に)書き留めておく。そうすることによってあなたの思いすごしではないことがはっきりするし、離
婚の際にも役に立つ。

p121
子供を証人にしようとしないこと。

p131
自己評価(自尊心)は私たちの人格における極めて重要な要素で、精神の安定を保つためには不可欠なものである。

pp138-139
夢や、言いまちがい・書きまちがいなどの失錯行為(無意識の欲求を実現させていると解釈できる)は、無意識のなかから発せられるものである。これらの行為が伝えるメッセージは<解読する>ことができる。そして身体の症状についても同様のことが言えるのである。

p216
最も効果的な解決法は別離あるいは離婚である。

p217
激情にかられた場合などにも、あなたの本心を見せてしまわないように気をつける[…]。

p230
マニピュレーターに対抗するための態度や話し方にはさまざまなものがあるが、そのすべてに共通する目的は、感情的な反応を見せることによってマニピュレーターに攻撃の手がかりを与えてしまわないようにするということである。

p236
マニピュレーターに対する言い返し方を用いることによって、非難されても気にしていないことを示すようにしている。

p244
マニピュレーターに対抗する上で最も有効な方法は、自分を愛することである。

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