[映画][リバイバル上映][MX4D] 『インセプション』

コロナの影響でリバイバル上映をしているシネコン。『インセプション』をやっているので、その IMAX 上映を先日観てきた。

[リバイバル上映][映画]『インセプション』 – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2020/08/17/film-review-inception-imax-revival/

もう1回観に行きたいと思いつつも、子育ての関係で映画館に行けるのは昼間の限られた時間。IMAX に関してはもう行ける時間に上映していないので、MX4D 上映で観てきた。

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まずは簡単に映画の感想。

頭のいい人たちがタッグを組むのがワクワクする設定。

エンドロールを読んでいて、モルのスペリングが Mal だと分かった。Mol だとおもっていたよ・・・。どちらかというと「マル」っぽい発音だろうけど、日本語の「丸」を想像しちゃうから「モル」にしたんだろう。

途中少しウトウトしてしまった。

丸文字縁取り字幕。

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今回はTOHOシネマズ赤池で鑑賞。イオンシネマ大高同様に、もぎりでチケットの切り取りはなく、同時にサーモグラフィーによる体温チェックもあった。イオンシネマ大高はそれぞれ別スタッフがやっていたが、今回はもぎりと体温チェックを1人でやっていたのですごく効率が悪かった。サーモグラフィーはイオンシネマ大高は2台だったが、ここは1台だったし。

上映前には映画館の感染症対策の映像も流れたが、早い時間に流れただけなので、上映開始時間近くに入ってきた人は見れていない。

イオンシネマ大高と同じ、ドラえもんの「新しい映画館様式」の動画も流れていた。

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さて、MX4D で映画を観るのは今回が初めてだった。こういう、映画をアトラクション化する上映形態はこれまでも体験したことがある。D-BOX やウィンブルシートといった座席のみが振動するタイプでは、特に D-BOX は何度も行った。今回の MX4D と似ている 4DX には2度ほど行った。

4DX や MX4D は座席の振動だけでなく、風が吹いたり、ミストやにおいが出てきたり、フラッシュライトが光ったりする。対応映画は 3D にもなる。そして振動については、D-BOX のように個々の座席で振動するのではなく、並びの横4席全体が動く。

MX4D は座席が振動したりするので、スクリーン入口横にコインロッカーが用意されていて、そこに荷物を入れるようになっている(100 円。使用後に返却される)。スタッフがそこに立っていて、荷物は床にも置けないので、荷物を預けないなら膝の上に置くように言っていた。実際は、隣りが空席ならそこに置けばいいし(今はコロナで1席ごとしか座れないし)、場内後方にはスペースが少しあるので、そこに荷物を置くのも手だ。私は荷物を持って入り、膝の上に置いていた。

上映開始直前にスタッフが場内をチェックしに入ってきた。おそらく、荷物が床に置いてないか、などをチェックしているんだろう。

MX4D は座席の振動、風、フラッシュライト、足元のカサカサっとした効果、スモーク、といった演出がある。今回は 3D 映画ではなかったが、対応映画ならさらに 3D メガネを掛けての鑑賞となる。

振動は、椅子全体が揺れることで大きな振動&傾き表現となり、それとは別に背中の一部で細かい振動が伝わってくる。フットレストに足を乗せるので、足がプラプラしない。足がプラプラすると振動が分かりにくくなるからね。

風は首周りに後ろからプシュッと吹くタイプだ。

フラッシュライトは場内両脇の壁に大きなライトが設置してあり、それらが光る。

足元の足にカサカサっと触れる感じは、ゴキブリっぽくて最初はちょっと気持ちが悪いかもしれない。

スモークはスクリーンの前に下から煙がモクモク出てくる。

4DX にあった、ミスト(水しぶき)やにおいはなかった。まあミストは濡れたり、化粧が落ちるのを嫌がる人もいるだろうし、4DX は1つのにおいしかなかったいので意味がなかった(しかも変なにおい)。ちなみに 4DX はミストをオフにするボタンがあり、各人で自分の席のミストを止めることができる。

映像はシャープで綺麗だったが、音が少し悪いような気がした。

MX4D の全体的な印象は「雑」だった。振動は個々の座席が振動する D-BOX と比べると、映画に没入できるほど絶妙な振動ではない。映画内で風が吹いてないアクションも、とりあえず風を出す効果で代用していた(発砲があると風が吹くとか)。スモークなんかは雪崩シーンで使われていた。「煙表現がない映画だけど、1回ぐらい煙を出しておこうか」という低いモチベーションなのではなかろうか。

夢の第1階層の銃撃戦のシーンはいろんな効果が一斉に使われて、大変なことになってた。

そういうアトラクションを増やせば増やすほど、「“映画に集中できない” 問題」が発生する。私は MX4D 等の映画をアトラクション化する仕組みっていうのは、映画というものを分かっていな人が考えたとしかおもえない。だって「芸がない」じゃないですか。3D メガネを掛けずとも映画は立体的に見えていたし、座席が振動しなくても震えるし、風が吹かなくても風を感じていた__頭の中で。それが映画なのだ。アトラクション化することで、どんどんバカっぽくなる。

今回 MX4D での鑑賞をする気になったのは、前述の通り IMAX での鑑賞に都合上行けないので「仕方なく」である。3D じゃないので 3D メガネ嫌いの私には幸いだった。通常こういうアトラクション系上映は海外映画は吹き替えになることが多いが、今回は字幕版だったのも行く気になった理由だ。MX4D とやらを1度は体験してみようかなという気持ちもあった。

でも改めて「普通の通常上映が一番だ」とおもった。せいぜい IMAX のように単にスクリーンが大きいという、それだけで十分なのだ(私は IMAX の音響や映像の綺麗さについては、そこまで突出したものだとはおもっていない)。3D なんかも不要。

百歩譲って、アトラクション系鑑賞では D-BOX ならかろうじて許せる。座席ごとに振動の強さの個別調整ができ(オフにもできる)、振動も映画にうまくシンクロしている。おそらく、個々の座席で振動させると、コスト的に高くなるから4席いっぺんに振動する 4DX や MX4D を導入する映画館が増えているんだろう。

座席の振動に関しては、10 年ぐらい前に初めて体験したときからずっと思っていたことがある。映画に合わせて座席が振動すると「動きの主体」が誰かを探してしまう。要するに、映画内の誰視点の振動なのかを考えてしまうので、映画に集中できなくなるのだ。主人公視点で振動するかとおもいきや、別の人の動きでも振動したりする。かとおもったら、人ではなくカメラワークに合わせて座席が傾いたりもする。映画の作り手側は振動をごちゃまぜにしている。これは映画を集中して観ることの妨げになる。

まあ、要するにもう MX4D 等での鑑賞は嫌だということです・・・。『インセプション』を観れる機会は滅多にないのでもう1回観ておきたいんだけど、今は私に都合のいい上映は MX4D しかない。また MX4D に行くしかないのかな・・・。

年寄り客が多かった印象だったが、映画も MX4D も結構心臓に悪いシーンがあったりしたけど大丈夫だったかな。

評価:5/5

鑑賞日:2020-8-19(水)12:00~14:40
映画館:TOHOシネマズ赤池
スクリーン:スクリーン7
座席:指定席
料金:1000円(自動券売機で購入、ポイント使用で 1900 円が 1000 円になった)
字幕版(字幕:アンゼたかし)

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