[読書メモ]『こどもの歯を「治療・矯正」する前に』
p20
母乳にふくまれる糖分は乳糖であり、むし歯をつくる種類の糖分ではありません。
p20
1975(昭和 50)年まで人工乳にはショ糖(砂糖)が混ぜられていましたから、当時人工乳で育てられた乳児には、いわゆる「ほ乳びんう蝕」と呼ばれる前歯のむし歯が頻発していました。
p64
安易に医療に依存しすぎない “かしこい医療消費者” として、医師という権威に対しても、不要なものは不要といえる勇気をもっていただきたいと願います。
p116
遺伝学的な理由から、日本人はアングロサクソン系のようなきれいな歯ならびになりにくいのです。
p124
犬歯を残すことによって、肉を切り裂いたり、ケンカ相手に噛みついたりする能力は残せても、その能力を使う場面など、一生のうちに何度あるでしょうか。
p127
ペン・フィールドのホムンクルス
p141
医療経済学の分野で「医師誘導需要仮説」という概念がありますが、歯科医が増え、矯正専門医が増えれば、よりいっそう需要が喚起されることになります。また医療の世界では、情報の非対称性といって、患者が、一方的に医師からの情報を受けとるということが一般的におこなわれています。
pp149-150
かつてイギリスで採用されていた人頭制では、担当する住民の人数に応じてあらかじめ総額の医療費が決められ、担当する住民が健康で医療費がかからないように医者が努力すればするほど、医者の収入が増えるしくみになっていました。