p13
新聞や雑誌をはじめとして、一般の人たちが生活しているなかで読むものの9割以上がノンフィクションであるにもかかわらず、「読書」という言葉を使った場合のイメージは文学を指しているような気がします。

p17
ブッククラブは、“読むこと” と同時に “書くこと” や “話すこと・聞くこと” もとても大切にされています。

p25
現実を見ると、学校でも、家庭でも、職場でも、良い話し合いをするための練習が行われていません。 

p28
押し付けではなく、よい雰囲気と選択があるなかで活動している(話し合っている)。

p28
自分の存在や試みがメンバーの変容をもたらす体験がある。

p32
通常の授業は、できる子とできない子が歴然と分けられてしまっており、教師と少数のできる子どもたちで展開されています。残りの子どもたちは観客でしかないのです。

p38
日本で「ブッククラブ/読書会」関連の本を探そうと思ったのですが、私が想い描いていたものを見つけることができませんでした。それほど一般性がないというか、そのパワーが日本では知られていないということだと思います。

p40
家業に目のまわる思いをしている主婦たちが、わずかの時間をさいて本を手にするのである。

p45
イギリスでは、すでに 17 世紀からブッククラブが行われていました。その目的は、「仲間づくり」、「知的な成長」、「自己改善」で、ブッククラブ=女性の会でもありました[…]。

p46
ブッククラブの多くは、歴史的に見て女性たちの会だったと言えます。

p55
よほどの方好きな生徒ならまだしも、そうでない生徒たちが一緒に読むこと、そしてそれを踏まえて話し合うことを楽しむというハードルは極めて高いと言わざるをえません。

p65
日本では、読むことを教える教育(読解教育)や読書教育について様々な問題を抱えているのですが、そのなかでも一番大きい問題は選書能力を養わないことです。大学でも、ほとんどこの能力について扱われることがありません。/その代わりに、日本ではびこっているのが「良書主義」です。小学校から高校までの教科書に代表されますが、長期休暇の期間中も推薦図書リストが提供されていますし、大学に入ってからも教授たちからのリーディング・リストが提供されているのが現状です。/結局、自分にあった方が選ぶという練習がどの段階でもやられませんから、よほど本の好きな人以外は選書能力を身につけることができず、大人になってから、マーケティング戦略によってつくり出されるベストセラーや有名人が推薦した本に踊らされ続けることになります。

p66
一つのグループは3〜4人が望ましいのですが、多くても5人にします。

p67
ブッククラブは、全員が主役であって「お客さん」は一人もいません。

p81
頭に残る確率を、「聞いたことは 10%、見たことは 15%、聞いて見た時は 20%、話し合った時は 40%、体験した時は 80%、教えた時は90%」

pp83-84
これを実現するためにはメンバーが相互に傾聴と研究を促し、一つの正解や即断を保留し、個々の理解を十分に共有し合うことが前提となります。/この種の話し合いは「ダイアログ」と言われ「ディスカッション」とは区別されています。両方とも日本語にすると「話し合い」ですが、その内容はまったく違っています。

p85
一斉授業や講演を聞いている生徒や受講者は、自らが受動的な存在であることは認識できるでしょうが、主体者意識をもっている人はほとんどいないでしょう。生徒たちの中には教師によって自分はコントロールされているとさえ思っている人がいるかもしれません。

p201
集まったメンバー全員が輪になって話し合うこともできますが、慣れないうちやより多くの参加者が発言することに価値を見いだすのであれば、8人以上の時は二つのグループに分けて話し合うことをおすすめします。

p205
読んだあとには話し合うことを前提にした読み方をするということです。

pp210-211
要するに、言いたい時に言える雰囲気がとても大切だということです。それには、言いたくない時は言わなくていいという選択肢も含まれています。必ずしも、発言している時だけが参加してるのではなく、じっくりと聞き、それを考える形でも十分に参加・貢献できるからです。逆にそのほうがはるかに創造的になれることもあります。

p214
全員が参加できる形で始める__最初は1巡、2巡と全員が短く発言できるようにする(パスも可)。

p217
そして、大人ですら事前に考えてきたことを順番に話し合うことに終始しがちなのを、テーマを絞って積み上げていくような話し合い(つまり自分たちならではの意味をつくり出すような話し合い)をするようにサポートしていきます。

p228
かなりの人数を集めないとやれない、と思い込んでいたようです。