[読書メモ]『日本を脱出する本』

p43
欧米の先進国では何もしないのが一種のステイタス。仕事で成功すると、簡単に会社を売却してリタイア生活に入る人が多くいる。つまり、できるだけ早くリタイア生活し、家族とともにのんびりするのが人生の1つの目標。築いた人生に生涯しがみついてしまう日本人とは大きな違いがあるようだ。

p45
日本脱出について、いろいろ迷ったり、悩んだりするときの一番の解決策は、「自分にとって一番重要なものは何か」「自分にとって一番の幸せとは何か」といった優先順位を考えること。

p47
トラブルを事前に防止するためには、簡単に人を信用しないのは当たり前。そんなことよりも、人を頼りにするのはやめて、何事も自分の「目と耳と足」で調べる。“自立心” と行動力がすべてに勝ることを覚えておきたい。

p54
海外へ出かける前に、ほとんどの人は観光ガイド本を買ったりインターネットで調べるなどして予備知識を得るのが当たり前となっているが、知識を得すぎて「イメージ」を固めてしまうのは、逆にマイナス要素となることがある。

#知識がありすぎる弊害より、知識がなさすぎる弊害のほうが大きい。そしてたいていの人は知識がなさすぎる。

pp68-69
趣味に秀でていたり多彩な趣味がある、いわゆる “趣味の人” は海外生活に適した人といえるだろう。/就労ができない滞在スタイルの場合はとくに時間を持て余し気味。趣味があればそれに没頭して楽しむことはもちろんのこと、趣味を通じて現地の人とのコミュニケーションが広がっていくことが簡単に予想できるからだ。

p84
日本人が現地で就職するには、「日本人でなければできない仕事」であることが大原則。[…]なぜかというと、「外国人を雇うことは、現地の人の雇用機会を奪うこと」になってしまうからだ。現地の人でもできる仕事であれば、わざわざ複雑な手続きが必要となる外国人を雇用する必要もなく、とくに不況下の環境では、外国人よりも自国民の雇用確保が最優先されるのは当然のことといえるだろう。

p114
インターネットは手軽なだけに “怪しい求人” も中にはある。先にも述べたように、「海外就職にお金を払う」ということはありえない話なので、「おかしい」と思ったら身を引くことが何よりも必要なのだ。

p127
市民権とはズバリ “国籍” のこと。/市民権を取得してしまうと、日本の場合は “二重国籍” を認めていないことから、日本国籍を放棄することになる。ちなみに、アメリカの場合は二重国籍を認めているため “セカンドパスポート” という言葉も存在する。ひとりのアメリカ人が違う国のパスポートを所持していることもあるのだ。

p131
偽装結婚が悩みの種となっているイギリスでは従来から “婚姻後の生活実態調査” が行われているが、2010 年 11 月より欧州エリア外の全外国人を対象とした “英語能力試験” が新たに付け加えられた。

p171
日本人は[…]「人生=仕事」という観念が根強く、せっかくリタイアして海外に住んでも、「仕事をしないと落ち着かない。なんとなく罪悪感が」といったことから、「自由時間」を楽しむどころか、暇を持て余して帰国してしまう人も少なくない。

p174
国家はその国に住む “外国人保護” という外交指命もあるため、外交問題に発展しかねない無責任なことはしないだろう。

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