[読書メモ]『世の中がわかる「◯◯主義」の基礎知識』
- 読書
- 2018/05/31 Thu 07:14
p8
言語学でもいうとおり、単語それ自体に意味はない。むしろ、単語と単語の関係=ネットワークが広がるにつれ、言葉の意味は生まれてくる。自分なりのネットワークを図示していくと、そこに自分のイメージやニュアンスが現れてくる。「数学」が「私小説」と結びついたり、辞書にはない自分独自の世界像がそこに見えてくる。言葉のネットワークは、そのまま私の感じている世界なのだ。
p99
では、「近親婚の禁止」は何のためにあるか? それは家族で女性を独占せず、互いに交換する規則をつくることで、家族が相互に孤立しないですむということである。別の言葉でいえば、「近親婚の禁止」は人間の中に家族という自然的単位ではなく、社会という人工的なつながりを形成するための機能を果たすというのである。
p119
画一的に教えられないものだからこそ「個性」のはずである。
p120
決まりきったことをやらせると器用にこなす子供はいつの時代にもいる。
p179
性的な興奮は、むしろ自分が現実の向こうにどう幻想を持つかによって決定される
p211
当然のことだが、セフル・ヘルプはなかなかうまくいかない。溺れているときに自分の髪の毛を持って引っ張り上げようとしてもむだだ。必ず他者に引き上げてもらわねばならない。精神分析でも、自己分析は基本的に成功せず、かえって症状を悪化させる場合が多いと言われる。自分の状態を知るには、自分より知識・真理をよく知っている存在が、そばにいて承認してくれることが重要なのだ。