[読書メモ][Kindle]『お葬式をどうするか』
- 読書
- 2017/09/04 Mon 20:11
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実は、お通夜というものはどの民族でも行います。なぜならば、古今東西を通じて死の確認というのが非常に難しかったからです。
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死の確認ができるまで見ていようというわけです。これが「お通夜」です。ですから、昔は四十八時間たたないと埋葬を許可されませんでした。それが今では二十四時間に短縮されましたが、そのようにして死の判定を遅らせてきたのです。
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江戸時代以降仏教はそんなふうに悪乗りをし、世間に先祖供養を植えつけました。その結果、そういう先祖供養をしないとたたるぞ、たたるぞという脅しの宗教になったわけです。
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お正月に使用する箸は、両端が丸くなっています。あれは、片一方は神さまが食べられるのでそうなっているのです。
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最近では〝エンバーミング〟といい、血管から防腐剤を注入して遺体を長く生きているように保つ技術もアメリカから導入され、利用者も増えているといいます。これは、海外で事故や病気のために亡くなった人が、自宅に運び入れられるまで体が腐らないように施される場合が多いそうです。
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昔は白だった喪服が今は黒になってしまったというように、現象自体が反対になってしまった珍しい例です。
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棺には「寝棺」と「座棺」があり、江戸時代までは圧倒的に座った形で遺体を入れる座棺が主流でした。寝棺は一部の高貴な人だけのもので、ほとんどはおけ型の座棺だったのです。そこで「棺おけ」ということばが一般用語として広まっているわけです。
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もともと香典とは不幸があった身近な家に食料を持っていく「食料香典」のことでした。それがお金に取って代わる「金銭香典」になったのは、大正期から昭和期のことだといわれています。
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イエス・キリストは、「幸いなるかな病める者」と言っています。「幸いなるかな貧しき者」とも言っています。金持ちがよくて貧乏人が悪いなんて、そんなバカな話はありません。
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お墓とは、基本的には、 ――死体置き場―― です。
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火葬場では、今なんとか骨を残すために、火力をコントロールしています。しかし、これは難しい技術なのです。
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日本の場合まだ土葬の名残があるから、遺骨に執着してその遺骨をお墓におさめるんですね。
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人はお墓の下に眠っているわけではありません。お墓は単なる死体の処理の場所であり、道具なのだと認識することは、無神論者だとして非難されることではないのです。むしろ、お墓を拝むことより大事なことがあるとわたしは思います。
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お墓は自宅の地所と違い、売買はできません。使用権を購入するのであり、永代供養料を支払うということで、土地を買うものではないのです。