[読書メモ]『ささやかな知のロウソク』
p145
現代の学会は、厳粛な自己修養を心がけているように見せかけながら、旅の喜びと気晴らしにふけることを参加者に許すという点で、中世のキリスト教徒の巡礼と似ている。
p193
先を争って熱心に実演実験に志願しようとするロンドンの子どもたちに比べると、日本の子どもたちははるかに内気である。
p215
私は、自分の出版社からいい扱いを受けてきた__ほぼ 40 年のあいだ、私の 12 冊の著作のうちの一冊も、英語版では絶版になっていない__でので、私がこれほどたくさんの出版社とかかわってきたように思えるのは、ちょっとした驚きである。
p245
本を章に分け、一度(いちどき)に一章ずつ、何年もかけて書けば、自分のペースを守ることだってできる。それが仕事を手名付けるやり方よ、と彼女は言うのだ。
p271
あまり遅いと海にザブンと落ち、早すぎると宇宙空間へビューと飛んでいってしまう。ちょうどいい速度(ゴルディロックス速度)だと、周回軌道に入る。
pp292-293
チャンネル4は、独自の内部制作スタッフや設備をもっていない。その代わりに(BBC もしだいにこういうやり方になりつつある)、ロンドンおよび全国各地に出現してきたおびただしい数の独立した制作会社に作業を発注するのである。
p298
十分によく発達した科学は魔法と見分けがつかない[。]
p300
WIMP インターフェース(ウィンドウ、アイコン、メニュー[あるいはマウス]、ポインター)
p370
「パックスマンする」という動詞は手強きジェレミー・パックスマン、すなわち英国でもっとも怖れられたテレビ・キャスターによる、当時の内相マイケル・ハワードに対する悪名高いインタヴューに由来するものである。パックスマンは同じ質問を容赦なく、12 回以上質問しつづけ、そのあいだこの哀れな男も根気よくじっと耐えて、答を避けつづけた。
p371
相互指導(mutual tutorial)
p380
私の「相互指導」のいくつかでは、「相互」という言葉を外したほうがいいくらい、私は自分が与えるよりもはるかに多くのことを対話の相手から学んだ。
p416
イギリスのパブでは、パンとチーズは「農夫のランチ(Ploughman’s Lunch)」と呼ばれている。
p565
3D プリンターは、ふつうの紙のプリンターから自然に拡張されたものである。
p621
英国を中心とした欧米には、現在でも「知的エリート社会」が厳然として存在するということを、いまさらながら思い知らされた。