[読書メモ][Kindle]『教養としての「世界史」の読み方』

私はグローバルスタンダードの「教養」は、「古典」と「世界史」だと思っています。(Loc 142)

長い年月にわたって、多くの人に読み継がれてきた文芸や思想の作品である「古典」には、時代が大きく変化してもなお変わることのない、人間社会の普遍的な真理が詰まっています。(Loc 143)

ローマの皇帝が典型ですが、西洋の為政者は民衆に姿を見せ、さまざまなパフォーマンスを行います。しかし、東洋の為政者は、中国の皇帝も日本の天皇や将軍もそうですが、その身は常に御簾の向こうにあって、民衆の目に触れることはほとんどありません。(Loc 369)

日本がなかなか「文明」という段階に至らなかったのは、水が豊かすぎて水活用システムを作る必要がなかったから、そして、人口の集中が起きなかったからだと考えられます。(Loc 588)

私は仕事柄、さまざまな国で図書館を利用しますが、イギリスの図書館ほど、膨大な情報を整然かつ合理的に管理しているところはありません。(Loc 1021)

ローマのような奴隷社会では、きつい労働はすべて奴隷が担うので、改良や工夫の努力がなされなくなる傾向があるというのです。(Loc 1288)

明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。(Loc 1335)

日本は近代化の過程で、ヨーロッパの思想が入ってきたために、どうしてもヨーロッパ中心に物事を見てしまう傾向があります。(Loc 1649)

欧米人にとって、信仰心が薄いというのは、モラルが低いということとイコールとして受け取られやすいので注意が必要です。(Loc 2134)

「ローム・イディ(Rom idee)」(Loc 2546)

キリスト教世界の精神的な拠り所になっている、その根底にローマがあるのです。(Loc 2548)

西洋では民衆の前に姿を見せることが為政者の権威につながり、逆に東洋では、民衆に姿を見せないことが権威になったのです。(Loc 2876)

戦後日本の西洋経済史の大家である大塚久雄氏(一九〇七~一九九六)は、「正確に書くのとわかりやすく書くのと、どちらが大切か」と聞かれたとき、「わかりやすく書きなさい」と、はっきりと答えています。(Loc 2964)

どれほど正確なものであったとしても、それが人々に読んだり聞いたりしてもらえなければ何の意味もないからです。(Loc 2967)

歴史は過去の出来事について述べるわけですが、そこには常に「今」というフィルターがかかっています。「(Loc 2969)

歴史の世界では、知識の量がそのまま話の深みに正比例すると言っても過言ではありません。(Loc 2985)

中国の場合は、常に王朝が絶大な権力を持っていたため、法もあったのですが、基本的にその中心は刑法でした。つまり中国では、法は悪い者を処罰するためのものとして発展したのです。(Loc 3089)

戦争は、常にやったもの勝ちの世界なのです。(Loc 3255)

ギリシアはヨーロッパにとって文明の聖地であるとともに、地政学的にも非常に重要な場所です。万が一、そこに敵対勢力が入ってきたら、本当に危ないことになるのをみんながわかっているのです。だから、どれほどお荷物でも切り離せないのです。(Loc 3301)

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