ところが、どういうわけか人びとは、ビフテキの焼き加減に対しては、レアーだ、ウェルダーンだ、ミディアムだと厳しい注文をつけるが、こと枕に関しては知らん顔。(Loc 227)

ビフテキを食べることと、快適に眠ることと、いったいどちらが大事かといったら、まちがいなく睡眠のほうであって、ビフテキが固いか柔らかいかということが一日の生活に重大な影響を及ぼすわけはない。(Loc 230)

毎日、ベストの状態で眠ることが、翌日の自分の持ち時間を最大限に活用するための前提である。(Loc 269)

「枕ぐらいどうでもいいや、多少寝にくいけど、あり合わせでなんとかなるさ」/などという人は、もう一生のあいだ、あり合わせの人生しか送れない人なのだ。(Loc 270)

目を閉じることはかんたんにできるにもかかわらず、耳にはクローズする仕掛けがないというメカニズムに即して考えれば、もしも音がまったく入ってこないようにすると、かえって不安が高まって深い睡眠がとれないのではないだろうか。(Loc 285)

しかし、このときこそ、神のめぐみとばかりに、徹底して“切れはしの時間”を使わしていただこうという発想から、新しい人生が始まるのだ。(Loc 430)

駅で電車を待つほんのわずかな時間など、たいていの人びとが何気なく捨ててしまっている時間がある。それを、いちどためしに拾いあつめ、つなぎ合わせてごらんになるとよい。きっと、何時間という驚くほど長い時間が、毎日、惜し気もなく捨て去られていたことに気がつくはずだ。(Loc 434)

時間をかけてあちこちさがしているより、買ったほうが早く、それだけ時間の節約になるからだ。(Loc 551)

エッセンスをつかむ方法は、ただ一つ、“問題意識を強く持て”ということだ。つねづね、いろいろなことに対して「何故か?」という疑問を抱くことである、といいかえてもよい。(Loc 673)

いつ、どこででも本が読めたり、ものを考えたりできることのほうが、はるかに時間が節約できることはいうまでもあるまい。むかしからわたしが本をバラバラにして持ち歩いたり、カードや文房具類をいつも携帯しているのは、結局、条件反射をはずすためなのである。(Loc 777)

涙とともに「シャボン玉のように」不必要な過去の記憶が消えることによって、われわれは、新たな人生の歩みを、ふたたび開始するのである。(Loc 903)

もちろん、小説でもかまわないが、音楽や映画に比べて時間がかかってしまうことが難点であろう。(Loc 904)

組織にとって、財産といえるものはいろいろとあるだろうが、その中でも最も重要な、組織の生命ともいうべき財産は、組織のメンバーによる知識の集積としての意味をになう文書やノート類だろう。(Loc 1009)

原稿用紙を前にしないと文章が書けないという習慣がつくと、口述ということができない。(Loc 1050)

キャッチボールをしているとき、相手がいつでも、受けやすい球だけを投げてくれるとは限らない。(Loc 1206)

人生を、より創造的に生きようとすれば、いかに時間の密度を濃くするかということに、すべてのポイントがかかっているといっても過言ではない。(Loc 1354)

VTRというのは、テレビを見る時間のなかった人が、その番組を録画してあとで見ようというのであるが、テレビを見る時間もあまりないほど忙しい人が、はたしてあとからビデオを見る時間的余裕があるのだろうかと思ったからである。(Loc 1386)

いいかえれば、自分の選ぶ目標を、あたかも他人が自分に頼んだ仕事であるかのように自覚することである。/「この仕事は、おまえがやらなければならない。それがおまえの使命である」と、深く心に決することである。つまり「自分は何事かを成すためにこの世に生きており、その目標こそこれである」という、人間の使命感に燃えることだ。「他人から頼まれる」ということの真の意味は、そういうところにあるといってよい。(Loc 1568)

好きで選んだものと、頼まれて選んだ目標とでは、やはり頼まれて選んだ目標のほうが永続性があるように思えるのである。(Loc 1671)

みんな同じ方向に行こうとするから共死するのであって、それぞれ違った方向に分散すれば、生き残れる確率ははるかに高いのだ。(Loc 1754)

人間にとっての本当の幸せは、経済的な報酬よりもむしろ精神的な報酬、すなわち多くの人々と喜びを分かち合うところにあるだろう。それだけに、誰もかれもが選ばないような目標を選択するほうが、より大きな達成感と幸せを手に入れることができるのだ。だれでも望むような目標は、それだけ価値が小さくなる。(Loc 1785)

マンガを読みテレビをながめながら育った人で、ノーベル賞をとった人はだれもいない。劇画やアニメ作者にはいささか申し訳ないが、これから世の中をゆるがすような発見や発明をめざそうという人は、やはり、テレビやマンガからできるだけ目を離したほうがよさそうである。もしそれだけの時間があるならば、やはり大いに書物を読み、できるだけすぐれた人たちに出会うことが最良の方法であろう。(Loc 1909)

毎月毎月、来月の給料をもらえると思っていたら、新しい知恵は何もでてこない。いよいよ何もなくなったら、必死になってもがく。そうなったとき、はじめて目覚めるのだ。(Loc 2145)

必死に生きる道をさがそうとすれば、たいへん感度の高い状態になってくる。そこで、平生見のがしていたものが、大きく拡大されて見えてくる。(Loc 2147)

人生は、ゼロからスタートするのがいちばんいい。わたしは、何々の大家とか、何々の権威といわれるのが大嫌いである。それが、ほぼ十年ごとに仕事を変えてきた理由の一つでもある。/もう一つは、不要な人間関係を、そこで思いきって切れるかどうかということだ。/同じ人とつきあっていると、えてして同じことしかできなくなってしまう。(Loc 2214)

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