毎月恒例の読書会に参加してきた。課題本は野口真人『あれか、これか』だ。

私はお金持ちになりたいという野望がある。お金持ちになるためにはお金の仕組みを知る必要がある。今回の読書会は打って付けの勉強のチャンスだ。これを機にいろいろお金に関する本を読んだ。

読んだ本は以下。
勝間 和代『お金は銀行に預けるな』
稲葉 精三『 10万円から始める投資信託入門』
岩谷 誠治『儲けにつながる「会計の公式」』
石野 雄一『ざっくり分かるファイナンス』
東堂 馬人『未来をつくるファイナンス』
永野良佑『これでわかった! ファイナンス』

野口さんの本で読んだのは課題本以外はこれ。
『お金はサルを進化させたか』
『ストックオプション 儲けのレシピ』
『私はいくら?』
『パンダをいくらで買いますか?』

課題本は2回読んだ。1ヶ月前にまず1回目を読み、関連本を読んで、読書会当日に2回目を読んだ。

ファイナンス理論について知るのはこれが初めてでちんぷんかんぷんだったけど、いろいろ本を読むうちに、同じ内容の話が出てくる。あるいは覚えた言葉に再び出くわす。まだまだ十分理解できていないけれど、「知っている」「聞いたことがある」というレベルで反応できるようになっただけでも、今後の学習がスムーズになると思う。難しいからといって、早いうちから投げ出してはいけないということだ。

いろいろ読んだ中では野口さんの本が特に分かりやすい。1冊の本にすべて凝縮しようとせず、複数の本でいろいろな切り口からファイナンス理論について書かれている。そして、深入りしていない。一方他の人の本は1冊に詰め込みすぎだ。野口さんのほうがサクッと読めて理解しやすい。もちろんこれは、「複数の本に分けて薄めている」と批判することもできるが(実際同じ話が他の本で書かれている)、私はこのスタイルのほうが学習しやすい。前述の「既知の情報に出くわすと学習効果が高まる」という考えと同じで、「あ、これは他の本でも読んだぞ」と思うと吸収しやすくなるのだ。

野口さんの本の中では『私はいくら?』が一番好きだ。いかに自分の価値を高めていくかが書かれている。特にサラリーマンなら「自分が社長だと思って思考せよ」といった考えにはすごく共感した(自分が奴隷だと思っていると奴隷のままである)。会社は “おもちゃ箱” であり、いろいろ実験の場として使おう、という考えも面白かった。

さて、今回の課題本は前半は分かりやすかったけど、後半になってくるとちょっと付いていけなくなってきた・・・。しかし、ファイナンス理論そのものよりも、そこから応用できる「思想」に気付かされただけでもすごく価値があったと思う。たとえば、物事の本当の価値の見分け方や、リスクやキャッシュフローの考え方などは、ためになったり、新鮮だったりした。

読書会では具体的な株や不動産投資の話にもなったが、元となるお金がなかったり、投資の知識がない人(投資の学習はコストが高く、誰しも習得できない)には、そういう話はあまりリアリティーを感じない。だから読書会では、私はどちらかというと「自己投資」について話を持って行った。

本書でも一番大切な資産はヒトであると書かれてある。そして、一番身近なヒトは<自分>であり、絶対裏切らないヒトは<自分>だ。小学生でもできる投資は自己投資なのである。小学生の場合は勉強が自己投資だし、大人なら仕事や人脈作りなどの自分を高める方法はいろいろある。

ヒトが資産であるといっても、それが他人となると難しい。資産であるはずのヒトが自分にとっては足かせとなることがあるからね。そういう意味で、自分と意識を共有できる人と繋がることは大事だし、会社であれば会社の方針とベクトルを同じくできる人を社員にする必要があるだろう。

私は読書会で実際に投資をやっている人の話を聞いても、あまりエキサイティングだとは思えなかった。そういうことに頭を使うのは、本質的ではない気がしたのだ。それになんだか近い将来人工知能で代用できそうな気がする。すると人工知能同士の闘いになり、ますます空虚なものになりそうだ。まあ、これは私が実際に投資をやってみると考えが変わるかもしれないけどね。

投資では自分が得した一方で、誰か損する人がいることを考えてしまう、という意見があった。いわゆるゼロサムゲームというやつだ。しかし、両者が無形資産をあらゆる形で得ることができたとしたら、それは “ノン” ゼロサムゲームとなるだろう。すならち、投資を通じてお金以上に得られることはいくらでも考えられそうな気がする。

ヒトが資産であることは、同時に健康や心も資産である、という話になったのは面白かった。そこで筋トレやダイエットの続け方についての話になった。最近の私は健康には気を付けているけど、運動がなかなか続かないんだよ。運動やダイエットは「やる気がなければ続かない」と考えてしまうが、こう考えているうちはできない。事実は逆である。続けるうちにやる気が付いてくるのだ。だから、始める「きっかけ」に敏感になったり、「とりあえず始める」という癖を付けることが大事なんだ。