[読書メモ][Kindle]『カウンセラーが語るモラルハラスメント』(谷本惠美)
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はずみでしてしまった攻撃とモラハラは違います。モラハラは、その関係性において、密かに、陰湿に繰り返されます。争いの影すら見せないこともあります。
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見える傷や青あざがあるわけではない、密室(ふたりの間)で行われる暴力。しかも、加害者は外面がよく、「まさか、あの人が」と言われるような人であるため、それらが暴力として認識されることは困難でした。
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身体的暴力を伴わない、じわじわと相手を責め続けるモラハラは、目に見えないという特徴ゆえに、暴力・虐待を受けている被害者自身にも、心がボロボロになるまで暴力の被害者であることを気づかせません。
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「繰り返す」ことが、後に述べる、加害者側の心の事情を表しています。
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ウェンディはとても責任感が強く、なんでもかんでもがんばってしまう女の子。実は、嫌だ、何か違う、と思っているのにがんばってしまう。そんなウェンディのような状態を、ダン・カイリー博士は、ウェンディジレンマと定義したのです。
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被害者カウンセリングにおいては、加害者を中心にした視点ではなく、変わろうが変わるまいがそれは相手の問題であり、被害者の課題ではない、被害者にとっては極端な話、加害者のことはどうでもよいと思わせるくらいでちょうどよいのです。
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まず、「自分がモラルハラスメントという暴力を受けている被害者である」ということ、そして、「その暴力から自分を守らなければいけない」と知ることが必要です。
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2004年 11 月に改正された児童虐待防止法により、子どもをDV(家庭内暴力)環境にさらすことも、虐待とみなされるようになりました。
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信頼というのは、子どもが成長していくうえで非常に重要な発達のための要素です。
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モラハラは、モラハラをする人の問題です。
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ここから離れることはできないという思い込み
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人は楽な方法に逃げ始めると、そこから脱することは難しいものです。
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長い間、心の問題と向き合わず避けてきたモラハラパーソナリティが、これまで放置してきた多くの問題に、いまさら向き合うはずがありません。向き合うには、避けてきたことを一から受け止めていかなければなりません。
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問題の解決方法や生き方はその人自身が見つけていかなければなりません。
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実家への里帰り、旅行、どのようなことでもかまいません。少しでも長い期間、攻撃にさらされない環境を得て、自分と向き合ってください。
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離れていることが不可能な場合は、必ず自分のためだけの時間を持つようにしてください。
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モラハラを知ったあなたなら、なおさら、相手に対してそれを教えたい、わからせたい、仕返ししたいと思うのは当然でしょう。/しかし、それをしてしまうと、ますます相手の攻撃は激化し、あなたに対する態度がエスカレートします。
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弁護士は、自分の思いにそって法的に解決してくれる「道具」であり、カウンセラーもまた、あなた自身が使う「道具」なのです。/弁護士にせよ、カウンセラーにせよ、あなた自身が使う「道具」は、あなたとの相性の良さが選択ポイントであることを忘れないでください。
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尊重してくれない相手と共に居続けることや、「相手はモラハラパーソナリティなのよ、精神的に幼いのよ」と見下しながら相手と共に居続けることは、健全な関係とは言えません。
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相手から権利を奪うことに躍起にならないでください。
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子どもと 真摯 に向き合えば、子どもはその態度から多くを学んでいきます。
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泣いてミルクをもらう。笑いかけたら笑い返してくれる。こういったやり取りで、周囲は自分のことをちゃんと見てくれており、自分は守られていると感じるのが子どもです。自分の行動に周りが対応して動いてくれるということによって、自信や自尊心を得ていく時期が子ども時代です。
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「全能イメージ」と「等身大の自分」のギャップを目の当たりにし、自分の不十分さを認めていく時期です。そして子どもは、認めた不十分さを補おう、有能であることを目指そうと、より成長していくわけです。
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答えは自分の中にあります。
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被害者は、モラハラの影響で、強く他人に言われたことを拒否できないという癖に囚われています。/「あなたはこうだ」と言われると、「そうなのかもしれない」と、無条件に受け入れてしまいがちです。その後、精神的に混乱を来したりすると、被害者の道を強く示した人に対して、恨む心さえ持つようになります。
Location: 2,603
モラハラの怖さを知っている人は、被害者を目の前にした時、早く気づかせたい、忠告したい、と思うかもしれませんが、指導的アドバイスは極力避けてほしいのです。
Location: 2,622
自分の感覚を取り戻すことが、モラハラの被害者には最も大切なことなのです。
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被害を経験した人の中には、周りのすべてがモラハラ的な人のように思えて、人づきあいが苦手になってしまう人が多くいます。
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モラハラ攻撃を受けていた影響で、他者の前でリラックスできないという癖がついています。
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そして何よりも、世の中、モラハラパーソナリティのような人ばかりではないことを思い出してください。共にいるとリラックスし、自分らしいつきあいができる人は必ずいます。そんな人との出会いを持つためにも、人とのかかわりを恐れないでください。
Location: 3,039
相手を見返すために、この先の人生を歩くということは、いつまでも相手次第の人生を歩いていること、加害者に支配されていることになります。/多くの被害者にとって、モラハラ被害から脱するということは、しっかりと自分の人生を作っていく、自分の意思で自分の明日を切り拓いていくことです。
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