我々日本人が「オッケー」という言葉を、「了解した」といった意味合いで使っている。

これはほんらいの英語のニュアンスとは違っている。

英語では「まあまあ」といった、曖昧な返事として使う。“It’s okay.” と言うとき、「了解」ではなく、「まあまあかな」「とりあえず良しとしよう」「悪くはない」といったニュアンスとなる。

怪我をした人が “I’m okay.” と言うとき、「なんとか大丈夫」といった意図で言っている。「問題ない」というわけではない。「大丈夫じゃないから、配慮してほしい」といった意味もあるだろう。

また、“OK.” を連発する人は「いっぱいいっぱいな人」という印象を与える。

パソコンのダイアログで、「OK」か「キャンセル」かを選択する場面が昔からある。よく考えると、あれはすごく上から目線だ。「素人のお前らは全部理解していないだろう。とりあえず言うことを聞くか、あるいはやめにするか、2択で選べ」と言っているんだから。「OK」は「完全に承知した」ではなく、「とりあえず進む」といったニュアンスだ。

妻は息子に確認の意味を込めて「オッケー?」とよく聞いている。息子も「オッケー」と答えている。あれも「細かいことはいいから、とりあえず納得したか?」といった意味であり、乱暴である。僕は息子に自分でしっかり考え、十分理解した上で判断してほしい。

「OK」の持つ暴力性に気づこう。

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