我が家は家の直前が道路であり、住宅街とはいえそれなりに車が通る。

玄関のドアの鍵を自分で開けられるようになったうちの3歳児は、外出時に先に家の外に出てしまうことがよくある。

だから家の前は車が通るから気を付けるようにと伝えた(最初は僕が少し言い、その後妻がどんどん話を続けていた)。「もし事故になったりしたらお父さんとお母さんが悲しむよ」などと言っているうちに、息子が泣き出してしまった。

親は注意をしているとき、大事なことだと思ってそういう話をするが、実は脅しになっている。そして親自信はその自覚がない。

子どもを怖がらせてはいけない。

子育てで大事なことは安心を与えることだ。自分の家にいること、親と一緒にいることに最大の安心を感じることは、安全地帯を築くことになる。これは大人になって生活する上でも必須のプロセスだと思う。

僕は子どものころ父親に医者になれと言われ、僕の意向も聞かず塾に通わされ、医学部受験を強要された。母親は父が手に負えない人だと分かっていたので、父に追従していた。僕にとって子ども時代は親に搾取されていたのだ。だから安全地帯を親に対して築けていなかった。それが大人になって自分の精神的土台を築けていない理由になっていると自己分析している。そのせいでさまざま挑戦のボトルネックになっていると思っている。

だからこそ息子には、親が一番安心できる存在だと思ってもらいたい。そういう子育てをしたい。

なかには子どもを怖がらせて楽しむ親もいる。そういう親は最悪だ。

安心を与える上で言葉遣いにも注意したい。「怪我するよ」という脅しではなく、「気を付けて」と言えばいいし、「遅れるよ」ではなく「急ごう」と言おう。

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