以前読んだ本を再読した。

前回の読書メモ:
[読書メモ]『保育園に通えない子どもたち』(可知悠子) – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2021/11/02/reading-notes-hoikuenni-kayoenai-kodomotachi/

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p35
幼稚園は私立が多く、二〇一八年時点で全園児数の八割を占めるため、地域によっては公立幼稚園が選択肢にない場合があります。

p61
子どもが三歳になるまでは、母親がつきっきりで育てるべきという「三歳児神話」がいまだ根強い日本社会では、三歳以前に保育園に入れることを否定的に捉える方も少なくありません。

p63
毎日同じ時間に通うことで、生活リズムが整い、小学校生活に備えることができます。偏食や家庭の経済的理由から、栄養摂取が偏っている子どもがいますが、友達と一緒なら食べられることもありますし、給食があれば栄養を補うことができます。

p71
外国人として差別を受けたかどうかは、判断が難しいところです。

p91
妊娠というのは、もしかしたら、孤立しやすい環境にあった人と社会とがつながる一つのきっかけでもあるかもしれません。

p122
他の先進諸国では、三歳未満についても親の就労の如何にかかわらず、すべての子どもに保育園に通う権利を付与する傾向にあります。

p133
近年、母子保健分野で子どもの虐待予防の効果が期待されているのが、「妊娠期からの切れ目ない子ども・子育て支援」です。私は、この切れ目ない支援によって、子どもが無園児になるのを防ぐことが可能だと考えています。

p133
すべての子育て家庭の家族全員を対象とするポピュレーションアプローチ

p136
保育園や幼稚園の情報は、自治体のサイトで必ずしもわかりやすく公開されていません。

p137
私の経験では、申請用紙が複数あり、住所などの同じ情報を何度も書くことが求められたため、住所を書く練習をしているような気分になりました。

p138
専門職などによる申請プロセスへの伴走支援を行うこと

p143
二〇一八年時点で、在留外国人の数が日本の全人口(一億二六四四万人)に占める割合は約二%です。この割合は今後、在留外国人の数の増加と、少子高齢化による日本人の数の減少によって、増えていくと予想されます。すなわち、国内における外国人の存在感が増していくと考えられます。

p157
長期的にみた場合、身体障害のある子どもの子ども全体における割合に大きな増減はありませんが、知的障害や精神障害のある子どもの割合は増加傾向にあります。

pp181-182
子どもにとってはアンコントローラブルな要素によって将来が決まってしまうのは、少なくともフェアではありません。

p183
外国人家庭は、小学校、中学校の義務教育から外れています。対象外になっているために、不就学の可能性のある外国籍児童が二万人ほどいるということが二〇一九年九月二七日発表の文科省調査で分かりました。

p183
必ずしもすべての家庭が「子どもの幼児教育必要だよね、通わせなきゃ」と思うわけではないんです。

pp197-198
自治体がやっているのは「監査」ですね。「補助金ちゃんと使ってますか」とか、「人がいると言って、いないのはダメですよ。配置人員はいますか」とか、最低限のコンプライアンスをチェックするものであって、質を実際に高められる評価システムにまではなってないですね。[…]マイナスをゼロにするためのもので、ゼロを一口、二〇にするためのものではない。

pp199-200
質をいくら上げようとも、子どもたちの內発性を引き出すような保育をしたとしても、それは親には伝わりづらい。むしろ親に伝わるのは「英語を教えてます」とか、「リトミックしてますよ、お母さん」とかですよね。そうすると親は「やった~、うちの子がHelloって言えた」と、大喜びしたりする。間違ったインセンティブの仕組みが跋扈[ばっこ]してしまう。