p18
私たちは他のどこよりもベッドで多くの時間を過ごし、外側の世界に対しては死んでいる一方で、刺激的な内側の世界では生きている可能性がある。人生のおよそ3分の1はこの内側の空間で失われ、最高で6年を夢の世界で費やしている。

p18
大学では音楽と生物学を二重専攻していた。

p21
昼間の体験が夢のようなものになっていき、夜の夢が現実に近づいていった(はっきりと安定していった)ので、自分が起きているのか寝ているのかわからないこともあった。夢を超現実のように感じ、起きているときの体験を夢のように感じていた。それ以前は別々だった世界が混ざり合ってしまっていた。

p28
これは夢だ。私は自由だ。私は変われる。

p34
仮に90年生きるとして、そのうちの30年は眠っていて、50万回近くも夢の世界を訪れることになるのだ。

p43
明晰夢とは自分が夢を見ているということに気づき、かつ夢を見続けているときのことで、つまり夢を見ながらにそれがわかっているときのことだ。

p55
勇気は人を動かすが、恐怖は人を麻痺させる。

p57
執筆者の中には、夢の中で協力者や「ペースメーカー(先導者)」、あるいは内なる夢の案内人を見つけ、無意識へ落ちていく際に付き添ってもらうことを勧める者もいる。

p59
毎晩眠りに落ちるとき、実は目覚めに落ちている。あなたはまだそれを知らないだけだ。

p71
最大7500万人もの米国人が睡眠障害(睡眠障害には70種類以上ある)に悩まされており、米国人の25%以上は睡眠導入剤を服用している。

p90
夢を書き出したり、夢日記をつけるのは本当に役に立つ。夢日記を始めると自分が真剣であるという意思が強調される。口先だけでなく実際に行動しているからだ。また、思考(意思)から言語(夢を覚えるという意思を繰り返す)へ、そして身体(日記をつける)へ進んでいくことにもなる。

p93
昼間に行う効果的な誘導法の一つが、定期的に「状態の確認」をすることだ。状態の確認とは、一日中自分の現実状態を自問することだ。自分の現実に批判的な態度を身につける方法として「これは夢か? 私は夢を見ているのか?」と問いかける。こんなことを自問するなんて馬鹿げているように思えるかもしれない。なぜなら普通は「もちろん起きてる!」と答えるからだ。だが、絶対にそうだとどうして言える?

pp95-96
状態確認をする際には、「権威を疑え」を強く勧めるバンパーステッカー(訳注:バンパーに貼るための、標語や宣伝などが書かれたステッカー)の忠告に従っている。自分が体験していることが現実なのか権威を疑うのだ。

p106
多くの夢研究者は、記憶誘導とこの「目を覚まして眠りに戻る」やり方を組み合わせるのが、あらゆる誘導法の中で最も効果的だと断言している。

p121
これは眠りに入る直前に最後に考えていたことが眠りにどれだけ大きな影響を与えるかということを示している。例えば、ストレスを抱えたまま眠りに入ると、この近因の心の状態がストレスに関連した夢を誘発することがよくある。

p122
精神的意味における良質な睡眠衛生というのは、良質で清浄な睡眠と夢のために、清浄な心の状態を維持して眠りに入ることだ。長時間走って汗だくになったのにシャワーも浴びずにベッドに入るだろうか?同じように、汚れた、取り止めのない心をベッドに持ち込まないこと。

p137
しかし、実践すればするほど簡単になる。

p147
しかし大事なのは量よりも質だ。一日が始まる前の、朝一番に瞑想すると良い。明晰夢家にとっては、寝る直前に瞑想するのも良い。そうすることで心を集めて落ち着かせ、明晰夢を見るための準備を整えることができる。精神的な睡眠衛生にも最高だ。

p155
物質的豊かさは精神的貧しさに正比例することが多い。なぜなら、高価な玩具は精神を破綻させる高価な気晴らしになってしまうからだ。本当に欲しいものを手にしているわけではない。

p161
物事そのものの本質を見出すためには、内側を見なければならない。

p211
私たちは人間である(human beings)というよりは「行う人間」(human doings)であり、常にあちこち動き回って何かをしている。リラックスするのは難しい。リラックスは精神的レベルではリラックスして本当の自分自身、光明心に入っていくことだ。それができさえすれば、明晰状態は自発的に表れだすだろう。

p238
「待てよ。目を覚ましたと思っていたのに!」と。学者のウェンディ・ドニガー・オフラハティはこれを、「後退する枠組みの神話」と呼んでいる。その神話は、一つの夢から次の夢に目覚めるときに、現実の枠組みが移行したり後退し続けるとき、夢を見ている人にとっては、最終的にたどり着いた場所が、元の現実ではない場所なのか、本当に目覚めている場所なのか確信できないということだ。

p250
昨日の経験を今日の視点から振り返る。昨日を生きていたときには、昨日は本当に実在していて本物だと感じていた。しかし、今日の視点から見ると夢のように思えるだろう? では今日を明日の視点から見てみよう。明日の視点から見ると今日は夢のように思えないだろうか?

p266
どのような段階であれ、無条件の幸福や、無形の幸福に到達するには、[…]現実から外見を切り離し、自分が本当に求めているものの核心に目覚める必要がある。

p270
他人の言葉や考えを気にするのをやめると、人はどれだけ本当に輝き始めるのか?

pp281-282
夢の中で飛ぶ。明晰状態になったら飛び上がって飛行する。飛行を楽しもう。私の場合、ジャンプで状態確認をして明晰状態になることが多いため、飛び上がり続けるのは自然なことだ。

p283
壁や天井を通り抜けようとする場合は、最初に手から試すこと。私たちの進化の特性として、頭は強くぶつけないよう用心するようになっている。

p287
「悪夢を見ている」と気づけば、もはや悪夢ではない。明晰さは心身を落ち着かせ、夢を安全にする。夢は安全だと学ぶことは、事実上、自分自身の思考活動を恐れかいことを学ぶことでかかる。

p288
夢の中で水に溺れたり、火で焼かれるような、恐ろしいあるいはトラウマとなるような性質のことが起きた(あるいは自分が生み出した)ときには、いつでも夢を夢として認識し、こう自問するのだ。「夢の中の水や夢の中の火がどうやったら私を傷つけられるのだ?」と。

p289
絶対的なレベルでは何も恐れるものはないということを理解するのだ。

p305
夢の中で明晰さを維持するための一般的な法則は、夢に関わり続けることと、動き続けることだ。

p327
やる気を持続するには、小さな成功を喜ぶことだ。前よりも多く夢を覚えていられるようになったら、それを祝う。夢が前よりもはっきりとして長く続くようになったのなら、それは素晴らしい。はじめて明晰夢を見ることができたら、それを喜ぶ。

p329
夢の実践でよくある問題は、特に最初のうちは、明晰になったことに興奮しすぎて目が覚めてしまうことだ。

【誤植】
p395
誤:男子を誕生させる。だ。
正:男子を誕生させる。