タイム・トラッキングを始めた1

最近の最大の悩みは「時間がない」という焦りがストレスになっていることだった。子どもはまだ2歳で手が掛かる年齢だし、家事にも追われている。自分の時間がなかなか確保できないのだ。

無駄を省き、効率化をすることは常に実践しているつもりだ。それでもいつになっても時間の欠乏感から抜け出せない。

その解決策として、まずは時間に関する本をいろいろ読んでいる。時間そのものがテーマでない仕事効率化の本なんかでも時間管理の話は出てくるので、そういう本も読んでいる。

2つ目の解決策は、自分がどのように1日の時間を使っているか、客観視することである。タイム・トラッキングだ。タイム・トラッキングをすれば、自分が何に時間を多く使っているかを把握できるので、対策が見えてくるかもしれない、という目論見だ。

タイム・トラッキングはデジタルで記録すると楽だと思った。各タスクごとに開始と終了を入力すれば、自動的に所要時間を計算するなんてことはコンピューターなら簡単だ。

タイム・トラッキング系のアプリやウェブサービスはいくつもあるが、どれもピンと来なかったので FileMaker で自作しました。FileMaker ならいくらでも自分好みにカスタマイズできるし、統計データを取ったり、グラフ化したり、自由自在だ。

そういうわけで1ヶ月半近く、自作アプリを使ったタイム・トラッキングを実践していた。システムの詳細はここには書かないが、アプリを FileMaker Server 上に置き、Mac および iPad でアプリを操作できるようにした。FileMaker Server は家庭内ネットワークでしか使えないようにしているが、タイム・トラッキングは家庭内のタスクを記録すればいいので良しとした。

アプリはタスクのカテゴリーとタスク名を入力し、スタートボタンを押すと開始時刻のタイムスタンプが記録される。ストップボタンを押すと終了時刻のタイムスタンプが記録される。と同時に、所要時間が自動的に表示されるようにした。グラフ化機能も付けたので、カテゴリーごとに棒グラフで所要時間を見たりもできる。

このアプリを使うことで、確定申告の作業で掛かった総時間が一瞬で計算できたりもした。

タイム・トラッキングを始めて気付いたのが、ワンアクションごとに「今私は何をしようとしているんだ」と考え続けることになるということ。漫然と時間を過ごしにくくなる。

細かく記録することで逆に自分を追い詰めるのではと思ったが、意外と「自分、頑張ってる」と励みになることも発見した。「今日はこれだけやったぞ」と思えるのだ。

タイム・トラッキングすることを忘れたり、サボったりすることもあるが、それはそれで重要な<サイン>である。つまり、タイム・トラッキングをできないほどのマルチ・タスキングを行っている可能性があるということだ。あれこれと細々としたことをやっていると、いちいちアプリに立ち返ることはできない。自分が何をやっているか把握できないのだ。<今これをやってます>と言えないほどのことをしているかもしれない。これはタイム・トラッキングをしていないときの自分を観察して分かったことだ(もちろん、シングル・タスクをやっているときに単に記録し忘れをしているときもあるが)。

マルチ・タスキングは危険である。シングル・タスクに集中するためにも、自分を客観視するタイム・トラッキングは重要なのだ。

タイム・トラッキングを始めて分かったことは、メンタルが安定している気がすることだ。気のせいかもしれない。でも、本当に安定しているのかもしれない。少なくとも、<時間が足らない>と無用な焦りをすることが少なくなった気がする。

ただ、自作アプリを使ったタイム・トラッキングに不都合があることに気付き、現在は別の方法に移行している。これについては次の投稿に書こう。

(つづく)

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