最近「1歳半健康診断」があった。区の保健センターで実施されるものだ。うちの子はとっくに1歳半を過ぎているが、1歳半健康診断はある程度の期間の子をまとめて行われる。健康診断の日程は市の広報誌に載っているが、保健センターからハガキで個別に知らされる。

病院などはなるべく夫婦で揃って行って情報を共有したいんだけど、COVID-19 の関係で付き添いは1人のみにするよう指示があった。なのでワイフに行ってもらった。

健康診断では他の子と比べてうちの子だけが騒いで走り回っていたそうだ。その場に私がいたわけではないのでどれほどかは分からない。でもワイフは念のため、健康診断で相談したら保健センターで受けられる育児相談をまた別の日に受けることになった。

2歳弱の息子はそれなりに騒いだり動き回ったりするけど、「異常」というほどではないと思う。多動だとも思わない。私はこの年齢の子どもについて(書籍以外で)リアルに知る機会はほとんどないが、この程度なら「個性」だと思う。

それでも一応育児相談を受けてみることにして、先日行ってきた。特に付き添いは1人にせよといった指示はなかったので夫婦で子どもを連れて行った。

最初は保健センター職員による事前聞き取りがあり、その後専門医の問診だ。

先生からはどちらかと言うと、言うことを聞かない子どもへのしつけの仕方について教えてもらうのがメインだった。まだ言語的なやりとりができる年齢ではないので、行動で教える行動療法という手法がいいらしい。

特に「気にしなくていいよ」「個性だよ」なんてことを言わないのがプロだと思った。何かしら心配しているから相談をしているのであって、そういう人に対して「気にするな」と言うのは逆効果だからだ。

専門家の前だと子育てのテストをされているようで、話を聞いている間観察されていてやりにくかった。試されているようで緊張して、逆にいつもとは違うことをしてしまう。人の視線を意識すると IQ が下がる。気にしないこと以外に解決策がないんだけど。

しつけは難しい問題だ。私自身がやりたいことをし、やりたくないことをしないようにしている。やりたいことを優先してやるし、1秒でも嫌だと思ったことはしない。だから子どもにも同じように自分の心を大事にする子に育てていきたい。

やりたいことをし、やりたくないことをしない生き方を実行する前提として、自由意志と責任を理解しなければいけない。それは1歳児には無理です。少なくとも小学生ぐらいにならないと。

となると今はどうするべきか。安全に関することは第1に優先する。次が健康に関することだ。それらは子ども自身が嫌がろうがしっかりコントロールする。問題はそれ以外のことだ。基本的に強制は最小限にしたいが、前述の自由意志と責任を理解できない現在はあくまで親が主導権を持つべきだろうか。

先生は親が主導権を持てと言う。たしかにそれも正しいだろう。でも、「親が主導権を持つべき」と言う方が親が喜ぶと思って先生は言っている部分もあるんじゃないかな。「よーし、先生も言っていたことだし、子どもに言うことを聞かせるぞ」と思う親もいるはずだ。子どもに振り回されて疲れている親は多くいるんだから。かといって、いつまでも親主導権が当たり前であることを無意識に続けていたら、子どもの心を殺すことになる。そこのあんばいが難しい。

ただ、1つだけ鉄則があると思う。林望さんの『考える子どもの育て方』に書いてあったが、育児の基本は<子どもをしっかり観察すること>だ。観察によって育て方が見えてくる。一律に「こうしなければいけない」というやり方は危険だ。子どもをよく見よう。

育児に関しては親の考えや子どもの性格を考えなくてはいけない。ちょこっと育児相談に行って解決する問題じゃない。時間を掛けて勉強し、専門家と話を聞きたいと思った。

また子育ての勉強は、育児本は素人が書いた「子育て体験記」ではなく(よくタレントとかが出してますね)、専門家の書いたものを読もう。

先生は保育園での様子も知りたいという。なのでまた保育園で担当の先生に様子を聞いて電話で保健センターに報告することになった。

ただ問題は、保育園の先生は子どもの良いことしか言ってくれない気がすることだ。保育園の方針なのかもしれないが、連絡帳(保育園と家族の連絡に使う)にはいつも良いことばかりが書かれている。とても嬉しいことなんだけど、問題があることを見逃す可能性がある。

なので、育児相談に行ったことを伝えて実際にどういう感じなのかを保育園で聞いたりもした。一時的に駄々をこねることがあったりしたが、基本的に問題がある様子はないという。