キテレツ大百科に見るモラル・ハラスメント
最近はうちの1歳児とアニメの『キテレツ大百科』を観ている。子どもも興味を持ってくれて一生懸命観ている。キテレツ大百科好きの私としては嬉しい。
キテレツ大百科は今となっては昔のアニメということもあり、古い価値観の話も多い。私は「古いな」と思えるからいいものの、子どもが前時代の価値観を持ってしまうのは少しだけ心配だ。せめて一緒に観てお話しながら観よう。
キテレツ大百科を観ていて気になることがあった。
第2話の「動物しばいを作るナリ」では、動物操り機という、動物を自由に操れる発明品が出てくる。コロ助は飼い主にいじめられている犬を動物操り機で操作する。そして、飼い主に仕返しのようなことをする。
しまいには飼い主は別の犬からも襲われるようになってしまう。そこで、飼い犬が飼い主を助ける、という話になっている。
これは美談として語られているが、私はいかがなものかと思った。だって、いじめの被害者が加害者を助ける必要は全くないからだ。
加害者は 100% 悪い。被害者が加害者を助けたり、かばったりすることが求められているのがおかしい。例えば加害者側が、「加害者にも事情がある」なんて思わなくていいんだよ。
第 54 話「感激鐘で武士の目にも涙ナリ」にも似たようは話があった。
みよちゃんはピアノのレッスンを受けているが、その先生はとても厳しい先生なのだ。
スパルタ教育なんて前時代のものだ。往々にしてスパルタ教育は厳しくするために厳しくする、という自己目的化が行われる。「上達してほしかったから厳しくした」などと先生自身が弁明していたし、それに対して「先生にも事情があったのね」と納得していた。納得してはいけない。みよちゃん、あなたはハラスメントを受けているのだ。みよちゃんは先生に「コンサートに出る」なと言い出して当惑していたが、解決策は簡単。先生を変えればよかったんだよ。
サラリーマン時代は、私自身「教育という名のいじめ」を受けていた。ハラスメントは絶対に許せない。