p33
ビューグラフ(スライド)

p34
聴衆は、講演の最初に話した内容を忘れてしまうことがあるので、先に話した内容をときどき繰り返すことが必要です。

p35
どんなときでも思いついたらすぐにメモをとれるように、近くにメモ帳を置いておいてください。

pp63-64
過去の批判、人の批判から研究のストーリーを書いてはいけません。人の研究を批判しなければ自分の研究をアピールできないような研究は、オリジナリティの低い研究です。

p110
とにかく、いかにしてリラックスするかを考えましょう。

p112
講演会とは投影されたスライドを観に行くのではなく、講演者の生の声を聴き、生の表情を観に行くのです。ぜひ一番前に座りましょう。後ろに座ったら同じ話でも、こころに入ってきません。臨場感が得られません。/ところが、授業でも学会でも多くの人は後ろに座りたがります。もったいない。同じ料金なら、S 席が断然お得です。

p114
自分のペースでスライドの中身を読んでいこうとする聴衆には、このレーザービームはとても迷惑です。講演者の話すペースと聴衆の画面を読んでいくペースは、同じではないのです。

p115
ポインターを使わなくとも聴衆が画面を読んでいくことができるように、上から下に読んで(見て)いくように、スライドの中身を並べてください。

p116
とくに講演の始まりの部分では、あなたの言葉を聴くよりもスライドを読み始める聴衆が多いものです。話す内容・言葉とスライドの内容・言葉が異なると、聴衆は耳と目とどちらに集中するべきかわからなくなります。

p121
研究室の学生やポスドクとの研究打合せは、2人でも複数人でも、そのあとに「ミニッツ (minutes:覚え書き)」を書くことを学生に勧めています。打ち合わせしたら必ずそのあとにミニッツをまとめてもらって、それをメールで交換します。議事録という大げさなものではなくメモ程度でかまいません。ミニッツはその日のうちに交換することが大切です。

p144
丁寧な招待状や礼状を、添付で PDF として送ってくる方がいますが、中身のわからない添付ドキュメントは受け取った側には面倒です。本文にもその内容を書いて、その上で「招待状を添付しました」と書きましょう。

p150
文章が終わらずに続くと、聞いている側は疲れます。間を空けることを恐れずに、文章を切ることをトレーニングしましょう。

p152
MC (Master of Ceremonies)

p163
ほかの人が書いた論文を読むときに、その著者の動機やこころを知る努力を日常的に続けると、著者の発想力に近づけるかもしれません。

pp166-167
昔の人は、いろいろな科学者の伝記を読んで、科学者に憧れました。いまはどうでしょう? 有名な研究成果を学びますが、それを発明・発見した科学者自身の苦労話や人間性にはあまり関心がないように見えます。しかし、それでは発明・発見を創造するためのヒントを得られないでしょう。

p167
Wikipedia 教授は、Wikipedia 学生を生み出します。

p167
iPhone や iPad の技術やアプリに詳しいだけではなく、スティーブ・ジョブズの発想法を学んでください。

p172
新しいアイディアは流行の動向調査からではなく、個人の頭から生まれます。

p174
流行を否定するところからアイディアが生まれる

p179
同時に実現できそうなことをいくつ組み合わせても、新しいアイディアは生まれません。同時に実現できそうもないことを並べて考えるところに、新しいアイディアが生まれるのです。

p181
「焦り」は禁物です。「焦り」は科学の最大の敵です。

p181
「科学を創る」ということは「忘れる」ということでもあるのです。/記憶は科学にとって邪魔です。「過去」の記憶は「いま」の判断を誤らせます。成功体験とか失敗体験は今の感覚を鈍らせます。あのときといまは違うのです。

p189
語学とは努力ではなくて、科学です。最小の努力で最大の結果をもたらす語学教育の科学的な研究が、日本には欠如しています。

p195
標準語は音程がフラットで、子音中心です。一般に北に行くほど寒いので、ロを大きく開けず、その結果、子音が中心の言語になるのだと思います。東北の人は、関西弁も英語も苦手かもしれません。アメリカでも南部はより母音中心であり、東海岸やイギリスではその程度が弱まります。

p200
日本語本体にも、長母音がなくなりつつあります。「おはよう」は「おはよ」、「ありがとう」は「ありがと」と短くつめて発音する人が増えています。母音を縮める傾向はおそらく標準語(東京弁)が茨城弁などの北関東なまりに影響を強く受け始めたからではないかと思います。