[読書メモ]『無印都市の社会学』
- 読書
- 2020/07/27 Mon 06:46
p15
知覚心理学で、モノや環境が、ユザーにたいして特定の行動を誘発するような性質をもつとき、
それをアフォーダンスという。
p18
日常的にモールをうろついている現代人は、そもそもゾンビのようなもの、生ける屍のようなものである、という批評的メッセージがここにはある。
p54
1990 年代に入りメーカーの価格拘束が解かれ、小売側が独自で価格設定することが可能になる(いわゆる価格のオープン化)。
p56
たとえばヨドバシマルチメディア Akiba では、開業時扱う商品が 60 万品あったのだが、これだけの商品を並べるフロアには、極力 “白い壁" を作らないようにしたという。こうした店内の工夫は、どこまでも商品が溢れていること=豊かさを示すとともに、見てまわることで消費を促すという人間工学的な考えにもとづくものであるだろう。しかし、この光景自体が、視覚的な騒がしさを持つ、独特の店舗の風景をつくりだしている。
p78
館内にはフロアガイドや案内表示が充実しているが、あまり人びとがそれらを頼りにしている様子はない。
p83
百貨店では最上階にレストランが、最下層に食料品売り場が設けられており、上階に立ち寄った人びとを階下へ導く「シャワー効果」や、地下に訪れた人びとを階上へ導く「噴水効果」など、縦の移動が期待されている。
pp108-109
時間消費型ビジネスが受け入れられた要因には、1990年 代から続く経済不況によって、多くの消費者がモノを購入(所有)することに執着しなくなったことなどが指摘されている。