自炊した本を再び製本する

以前 BOOKSCAN の裏技について書いた。

自炊代行サービス BOOKSCAN の裏技 – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2019/01/14/hacking-bookscan/

その中で中古の本を PDF 化して読むと書いた。汚れた本でも PDF 化すれば(デジタルなので当然だが)綺麗に読める。

でも中には紙で読みたい本もある。紙の本は物理的な制約が多いけれど(特に置き場問題)、頻繁に参照したい本や物として部屋に飾りたい本だってある。

ふと思ったのが、PDF 化した本を再度製本することもできるのでは? ということだ。それができれば、中古の本を新品として蘇らせることもできる。パソコンで編集すれば、サイズ変更もできるので縮小版あるいは拡大版の本もできてしまう!

ということで、PDF 化した本の中で製本し直したいものがあったので、再製本に挑戦してみることにした。

製本には「製本直送」が便利だ。1冊単位でオンデマンド印刷ができ、比較的リーズナブルな価格である。

製本直送.com | 1冊から注文OK。安さと高品質のオンデマンド印刷
http://www.seichoku.com/

製本直送はこれまで製本にも使ったことが何度かあるし、さらにオンデマンド出版もできるので自著もそこで販売している。私にとっては使い慣れたサービスだ。

Lulu というアメリカのインディペンデント出版会社でも、同様の印刷や出版ができる。しかし、日本への発送に時間が掛かるし、印刷のクオリティーは製本直送の方が少しいいと思った。細かい使いやすさも製本直送が上だ。

Online Self Publishing Book & eBook Company – Lulu
https://www.lulu.com/

さて、製本直送で本を製本するにはまずはデータを用意せねばいけない。今回はオリジナルと同じく B5 サイズで製本することにした。

製本直送で製本は PDF データをアップロードすることで行う。裁ち落とし部分の追加が必要なので、単純に BOOKSCAN のデータをそのまま使えない。だから Adobe InDesign を使って PDF データの調整を行った。

表紙は、本文とは別に表紙データをアップロードする。表紙のサイズは本文のページ数や紙の種類によって変わる。表紙サイズは本文データをアップロードすることで製本直送が算出してくれる。今回は元の本の表紙をそのまま製本したかったので、製本直送が算出した表紙サイズに合わせて Adobe Illustrator で表紙サイズを調整した。

注意が必要なのは BOOKSCAN はカバーをスキャンしてもらえないこと。カバー付きの本を BOOKSCAN へ送っても、カバー部分は破棄されてしまう。だから、カバーを表紙として製本したいなら、別途自分でスキャンしておく。今回も自分でスキャンをしておいて、その画像データを使った。

本文および表紙のデータを製本直送へアップロードすれば製本の注文ができる。今回は個人的に楽しむ本なので、紙の種類や配送スピードは一番安いものにした。本文がカラー画像を含んでいたのでカラー印刷。B5 の 250 ページの本で約 1600 円だった(送料含む)。

ゴールデンウィークを挟んだので、8日ほどで届いた。

製本された本が届いて驚いたのが、ぱっと見、新品の本に見えること。普通に書店で売ってそうなクオリティーだ。私のデータの作り方がうまかったこともある。

ただぼんやりしていたせいか、縦書きの右開きの本なのに、カバーのデータを左右逆にしてしまったこと(左開きの本のようにしてしまった)。まあ、いいんだけどね・・・。

本文の印刷クオリティーも良い。ただ、もともとスキャンしたデータなので、やや文字がぼやけた印刷になるが、まあ大して気にならない。

こんな感じで自炊した本の製本化は十分可能であることを確認した。これでいつでも自炊した本を製本し直すことができる。逆に言えば、これからも安心して自炊できるようになった。

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