[読書メモ]『フェルメール デルフトの眺望』

p48
オランダの絵描きはたいがいじつに多作である。また日々の糧を稼ごうとすれば、そうならざるをえなかった。この点でも、例によってヨハネス・フェルメールは類型にあてはまらない。

p71
父は画商、姉は額作りの職人に嫁いだうえに、メーヘレン亭にはしじゅう画家が出入りする環境に育てば、ヨハネス・フェルメールの将来はもうきまったも同然だ。

p96
富裕層の邸宅では一階の部屋の床にタイルを貼ることが多く、小さな装飾タイルで壁の下部を縁取りする例もよく見られる。

p98
富裕な家庭では、少なくとも住みこみの女中が一人は必要だった。(*男の召使いを雇うと重税がかかる。)

p119
現存する作品が数少ないためにフェルメールは遅筆の画家と思われがちだが、寡作だからといって仕事が遅かったということにはならない。

p154
[フェルメールの絵では]一人か二人の例外をのぞいて、女たちはいわゆる「美人」ではない。ほとんどの作品が一人きりで、なにか簡単な作業にうちこむ姿を描いている。

p203
もう1世紀も前から画家達はカメラ・オブスクラ__「薄暗い部屋」の意__の名で知られる装置を知っていたからだ。

p226
思索家

p287
フェルメールが有名にならなかった理由の一つは、[…]作品の数が少ないことだろう。そのほかに名前のせいもあって、同じ時期に活動した同名の画家がかなりの数いるのである。

p334
芸術のおかげで私たちは、たった一つの自分の世界だけを見るかわりに、多数の世界を見ることができる。

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