p17
クリスチャン・ネームは、アメリカやカナダではファースト・ネーム、あるいはギブン・ネーム、イギリスではバプティスマル・ネームまたはフォア、ネームと呼ばれる。

p19
アメリカでは、日常生活で出会う人々の間で、もとはどういう出自の人なのかを、名前と英語の発音から推理することがある程度の常識となっている。

p33
トマス Thomas やルイス Lewis などのように、名前にも名にも使われる名前の多くは、個人名がやがて家名として定着したものだ。

p38
ロシア人のミドル・ネームは、父親の名前を示す父称をつけるが、英語圏の人のミドル・ネームは何をつけても構わない。

p43
スペイン、デンマーク、ハンガリー、ギリシア、チェコ、そしてロシアなど、人びとの信仰があつく、教会の影響も大きい国々では、教会が保管してる名前のリストのなかから子供の名前を選ぶということが今日でもおこわれている。

p48
欧米では、新しい名前を「考案」するなどということは思いもおよばない、という人が多いし、風変わりな名前は、一般的にはあまり受け入れられていないようだ。

p48
英米の名前蒐集(しゅうしゅう)家や研究者は、「1850年の名前ベスト100」といったリストを年代ごとにいくつも作成しているが、現在の名前のリストと比べてみても、順位が変わっているだけで、登場する名前はさして違ってはいない。

p38
マイケルという名は、特徴のない平凡な名前なので、目立たない名前を選ぶ傾向が強いアフリカ系アメリカ人にも好まれている。

p109
イギリスで、リリー、リリアンに次いで一般的になった名はローズ Rose(バラ)だが、これは実は花の名前ではなく、「馬」を意味する古英語 hrose に由来する名前だという。

p221
もとはごく少数の香港人エリートたちに限られていたイングリッシュ・ネームだが、1960年代から70年代にかけて香港が急成長を遂げたことによって、英語が重視されるようになり、イングリッシュ・ネームが一般的になっていった。英語の授業の時に、先生が生徒に名前をつけるパターンが多いという。

p232
日本のアイヌにもみられたことだが、悪い名前をわざとつけて禍(わざわ)いを避けるという意味合いもあった。

p249
アフリカ人には双子が多く、ベナンの隣国のナイジェリアに住むヨルバ族は、双子の出生率が世界一だそうだ。

p270
白人たちには評判のよいアンクル・トムだったが、現在のアメリカの黒人には、白人の都合のいいように描かれた黒人像をあらわす侮辱的な名前とみなされている。