p30
「悪いとわかっていて、やめられない」状態を端的に表現したら「中毒」でしょう。

p47
「甘いものを食べない生活」を幼児期の段階で「習慣」にしてしまう、大人たちの配慮が重要だといえるでしょう。

p55
「甘いもの」は、私たちの意志に関係なく、脳に直接働きかけて糖質過多になるように誘うことができる物質というわけです。

p65
いま問題が明らかになっている「甘いもの」からどう離脱させるかが最優先であって、そのために利用できる人工甘味料があれば利用するということです。

p83
よく和食のグルメ番組などで、塩辛いおかずに対するほめ言葉として「何杯でもごはんが食べられる」などといわれます。しかし健康面からいえば、糖質過多を誘発するいわば悪魔のささやきと思った方がよいのではないでしょうか。

p61
『植物はなぜ薬を作るのか』(文春新書、2017)

p86
「いまのバナナはサルが本来食べていた野生のバナナとは違って、糖質が多すぎるので、サルには不健康である」

p92
都会のほうが鉄道網が充実しているので歩く機会は多く、鉄道網に恵まれない田舎のほうが車での移動が多いのです。つまり、田舎の人ほど歩かないというわけです。

p93
平安時代に栄華を極めた藤原道長が日本の糖尿病患者の第一号というのは、よく知られた逸話だと思います。

p95
概して物事は螺旋(らせん)的に進展するともいわれます。

pp98-99
基本的には、私たちの血液中の血糖値を上げるのは、食品に含まれる糖質しかないと考えてよいのです[…]。

p100
インスリンが分泌されると血糖値は下がるわけですが、血液の中にあったブドウ糖がどこかに消えてなくなるわけではありません。

p112
人工透析にかかるよ医療費は一人1ヵ月 50 万円といわれています。そのうち本人負担は1ヵ月1万円(高額所得者は2万円)で、残りは国から給付されているわけです。透析患者数は 32 万 5000 人ですから、国の財政からいっても、透析患者を減らすことは決して小さくない課題の1つになっているようです。

p136
重要なことなので何度も繰り返しますが、血糖値を上げるのは糖質だけです。

p144
フランスとハンガリーでは2011年、メキシコでは2014年から清涼飲料水やお菓子に課税する「砂糖税」やソーダ税が導入されており、英国でも同様の課税が2018年から始まる予定です。

p216
「甘いものがなきゃ、もう生きていけない」などとヒステリックに訴える人が少なくありません。[…]そういう患者さんをどうするのか。冷たいようですが、私は放っておきます。自分自身で「このままじゃ、ダメだ」と思えるところまで体調が悪化しないと、彼・彼女たちは本気で治そうと決心できません。そうなって気づく人も多いのですが、もう重症ですから、その後の治療は本人にとってよりつらいものになります。

pp216-217
甘いもの中毒の若い患者さんの中には、子どもの頃からぜんぜん勉強しなかった、自分の健康のことさえ考えるのも億劫だという人が多いように感じます。そういうふうに親に育てられたのでしょうから、私にいわせれば犠牲者です。