英語音読教材としての英英辞典
大阪で書店巡りをしたことを書いた。
大阪で書店巡りをしてきた – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2019/02/22/crawling-bookstores-in-osaka/
書店巡りの目的は英語の音読教材を探すことだった。
私は英語を上達させる上で、音読こそが効果的であると信じている。英語を喋るためと英会話スクールに通う人がいるが、英会話スクールが駄目な理由は楽な方法ばかり覚えてしまうこと。切羽詰まった状況ではイージーな表現ばかりを使ってしまう。苦労しない「便利な表現」ばかりを覚えてしまう。
逆に音読は強制的に正しい方法を身に付ける方法だ。どんどん表現力が増えていく。何度も繰り返した文章は、いちいち考えなくても脊髄反射的に言葉が出るようになる。それと、スピーキングだけでなく、リスニングやリーディング、ライティング力も伸びる。
私がこのような音読至上主義担ったのは間違いなく予備校生時代(代々木ゼミナール)の今井宏先生の影響だ。
実際は予備校の頃はあまり音読をしていなかった。むしろここ数年のほうがよく音読している。
教材としては今井先生の『英単語・熟語トレーニングドリル2100』だ。
予備校生向けの教材とはいえ、スピーキングの練習だから平易な内容でも十分なのだ。
手順としては単文を 30 回ずつ音読していくんだけど、正確には3回 CD を聞き、3回音読し、3回シャドーイングし、残りの 24 回を音読する。音読は1日1回でも1ヶ月で1セクション進めるが(1ヶ月 30 日だから)、1日数回音読すればペースを上げることができる。1セクション 40 文なので、5〜10 分程度で終わる。ちょうどいい分量だ。書籍にはちゃんと、回数を管理できるスタンプを押す欄が作られているのが楽しい。
音読教材は短文がよい。長文の音読教材もあるし、CD 付きの長文読解用教材を音読に使うことも可能だろう。しかし、長い文章をダラダラと読むとだらけてくるんだよ。短くタイトに音読できる、英単語用音声教材がちょうどいいのだ。
そんな感じで真面目に音読を続け、特に去年は毎日のように続けていた。そして『英単語・熟語トレーニングドリル2100』の「上」をほぼ終えようとしていた。
しかしである。このまま「下」に進んでもいいんだけど、教材に物足りなさを感じるようになった。それはアメリカ英語だから。イギリス好きとしてはイギリス英語を学びたい。
たしかに最近はイギリス英語を専門に扱った教材がいくつか出ている。
でもねえ、もうあえて日本の教材を使う必要も感じなくなった。ダイレクトにイギリスの出版社から出ているものを使いたい(こういう変なところにこだわってしまう)。
そうやってこれまで書店の洋書コーナーをいろいろまわってみたんだけど、短文の音声教材って意外とないのだ。いくら探しても見つからない。
それなら教材を自分で作ってしまえと音読教材の自作に試みたりもした。イギリスのクイズ番組をいつも観ているんだけど、その冒頭に小話がある。それを書き起こして音読教材とするわけ。でもねえ、これは書き起こしが面倒に感じて続かなかった。本気を出せば 30 分で書き起こしはできる。それで 30 日間分の教材の完成だ。でも、書き起こしをどんどん後回しにするようになり、そのせいで音読ができなくなった。学習のコツはハードルを極力下げることだ。書き起こし作業なんてやめて(それはそれで勉強になるけど)、市販の教材を使ってすぐ音読を始めたい。
大阪の巨大書店でも見つからないなあと嘆いていたんだけど、ふとウルトラ C の解決策を思いついた。
辞書を音読すればいいんじゃないか。
辞書なら例文として短文が載っている。イギリスの辞書にすればイギリス英語を学べる。例文すべてに関して音声が付いている辞書はないみたい。しかし、音声を聞くことにこだわらなくても、単に短文の音読教材があればいいんじゃないか?
それと、辞書を暗記することには以前からずっと意識していたので、これを機会に始めるのもいいのではないか。
単語カード暗記システムを考えた – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2018/12/04/memorising-with-index-careds/
そういうわけで、書店で英英辞典を購入。買ったのは Collins Cobuild Intermediate Learner’s Dictionary だ。Collins Cobuild は、単語の定義が独特で(単語を文章で説明してある)、以前から好きなイギリスの辞書だ。900 ページあるとはいえ、A5 より少し小さいサイズでコンパクトなのもいい。
辞書は Primary(初級)、Intermediate(中級)、Advanced(上級)の3種類があった。初級でもよかったけど、これは知っている単語が多かったし、何より Collins Cobuild の魅力である単語の定義ではなく、普通の定義。これでは面白くない。Advanced でも悪くないけど、これは知らない単語が多くて音読をスムーズに進められなさそう。何より本が大きい。
そんなわけで Intermediate がちょうどよさそう。
最初から順番にやると a で始まる単語ばかりになる。だから、1, 11, 21, 31, 41… と下1桁が1のページをやり、最後までいくと 2, 22, 32, 42…と下1桁が2のページをやる・・・・・・のようにしていけばいいだろう。
Kindle 版も出ている。Kindle 版なら持ち運びもできるし、画面をスクリーンショットに撮れば気軽に書き込みもできる。ただ、固定レイアウトではない。これではサイズ調整が面倒だし、何よりページの概念がないので頭から順にやるしかない(つまり最初は a の単語ばかり続く・・・・・・)。うーむ、やはり紙かなあ。Kindle の固定レイアウトの書籍は通常は不便だけど、こういうときは固定レイアウトの本がありがたかったりする。
しばらくやってみて様子を見よう。