先日「私は食べることに興味がない」という女性がいた。激しく同意する。

食べるのが好きという人は多い。食べるのが趣味という人もいる(それは趣味なのかな)。でも私は食べることに、たいして興味がない。最低限の栄養さえとれていればいい。

食事って何も生まないんだよ。基本的に食事は単なる消費である。「生産」ではない。分かりやすく言えば、たとえ何十回何百回とカレー屋さんに通っても、何も生産されない。

特に美味しいものを食べたい人を非難しているわけじゃない。ただ「あー、美味しかった」で終わる行為に私は興味がないだけだ。私はとっとと食事を終えて、もっと生産的なことに時間を使いたい。だから食べるのは早いです。

ただ私だって海外旅行なんかに行くと、できるだけ美味しいものを食べようと思うし、有名な現地の料理を食べたいとも思う。しかしそれは、胃で食べているというより頭で食べている。「イギリスといえばフィッシュアンドチップスだよね~」のような記号を楽しんでいる。あるいはスタンプラリー的にコンプリートしたいと思う願望があるだけだ。

もちろん人並みに美味しいものは美味しいと思う。ただ、何が何でも美味しいものを食べたいという欲求がないだけだ。

消費社会に住んでいると、食べることを促される。テレビなんかはひたすら食べさせようとする。だからテレビを見ると太る。現代人は食べすぎなのだ。消費社会では「栄養が足らなくなるから、あれもこれも食べなきゃ」という脅迫を受け続けている。現代日本で栄養が足らないなんてことはない。むしろ食べすぎによる健康被害の方が大きな問題だと気付くべきだ。

食べて食べて食べまくれと消費者を消費の奴隷にしようとする連中の思惑に気付こう。