[読書メモ]『アクロイド殺し』
- 読書
- 2018/05/14 Mon 06:43
p13
キャロラインは情報を集めるために外出する必要などないのだ。家にすわっていれば、情報の方からやって来るのだから。
p41
世を忍んで暮らす方が好きな人間もいます。わたしは名声なんてほしくないのです。自分の名前がこの村でまちがった読み方をされていても、わざわざ訂正しようとも思いません[。]
p48
ラルフ・ペイトンは生まれながらにして、何の努力もせずに人を魅了することができた。放縦(ほうじゅう)で放浪癖があり、世の中のどんなものに対しても敬意を示さなかったが、それでも愛すべき若者で、友人たちはみな彼に傾倒していた。
p56
最近の若い女性が読んでおもしろいという小説には、はっきりいって鳥肌が立つからだ。
p124
お金は、わたしにとって重要なものですし、これまでもずっとそうでした。しかし、わたしがこの件にのりだすにあたっては、お嬢さんに、ひとつはっきりと理解していただかねばならないことがあるのです。わたしは最後まで徹底的にやる、ということです。[…]やっぱり地元の警察に任せた方がよかった、と思うかもしれませんよ[。]
p128
大半の成功は、警察の助力があったからこそ手に入れられたものです。イギリスの警察には、心から敬服しております。
p129
こういう上流階級の使用人はすぐおどおどするので、何でもないのにうさんくさく見えてしまうものなんです[。]
p136
「まったく重要ではありませんよ」ポアロはいった。「だからこそ、非常に興味をそそられるんです」
p138
事実を体系的に整理すれば、すべては単純になるのです。
p147
「[…]こうした無生物が」__彼はそういいながら、書棚の上を触った__「常に黙っていると高をくくらない方がいい。わたしには、ときどき語りかけてくれます__椅子、テーブル__彼らなりのメッセージがあるんです!」
p160
エルキュール・ポアロに隠し事をするのは、たやすいことではありません。探りだすコツを身につけていますからね[。]
p165
「物事なんて、おおむね単純なものだ」
p174
「エルキュール・ポアロはめざすものを手に入れられる確信もないのに、服を汚す危険は冒しません。そんなことをするのは、愚かで滑稽なことです。わたしは絶対に愚かな真似はしません」
p206
夫人はごまかすことに慣れていない女性のようだったので、嘘をつかねばならない羽目になって、ひどく動揺してしまったのだ。
p210
キャロラインは、おいしいクリームをたっぷりなめた猫のようだった。
p244
動機が三つ__いくらなんでも多すぎます。
p245
自分が頭の中で組み立てた、きわめて重大な、しかも論理的な考えは隠していたのだ。のちに知ったことだが、この秘密主義はポアロ独特のものだった。
pp245-246
彼がシャーロック・ホームズで、わたしはワトスン役を務めた。
p266
ぼくは好奇心という罪に陥りやすくないんでね[。]
p273
こういうことわざがあるでしょう、イギリス人が隠すのはひとつだけ__恋心だけだ、ちがいますか?
p281
キングズ・アボット村では、こういう手のきどらない娯楽はとても人気があるのだ。
p324
わたしは若い女性の話を鵜呑みにしないようにしています__いくら魅力的で美しい女性でもね[。]
p337
最近の若い女性は、よほどのショックがなければ気絶したりしないものですよ、ムッシュー。
p345
ブラントは思っていることを言葉にできない、いわゆる口下手な人間だった。
p358
物事を知るのがエルキュール・ポアロの仕事なのです。
p394
このわたしは、そんな些細なことは超越する精神の持ち主です[。]