p96
表現はガスのようなもので、ちょっとでも時間が経つと雲散霧消してしまって二度とふたたび凝縮させることは難しい。

p98
実際にこうして詩や散文をパソコンで書いていると、「筆跡」という、いわばグラフィック・データが捨象されて、裸のテキストだけが画面上に表現されてくる。慣れないうちは、これがなんだか味気ない気分を誘うのである。

pp173-174
ともかく、このデータの保存ということについては、念には念を入れて、また念を入れるというくらい、いくら念を入れても入れ過ぎるということはない。