[読書メモ]『悪魔の勉強術』
p24
縁あって同志社大学神学部で学ぶことになった皆さんには、ぜひ型破りな存在になってほしい。自由な発想や思考ができる人間になってもらいない。そのためにも、まずは型を覚えて、会得すること。その上で、型を破れば、単なる滅茶苦茶な人間とは違った、個性が発揮できるのです。
p55
第三者の視点に立って、理解可能かどうか、作成したレポートを読む習慣をつけてください。
pp60-61
勉強の遅れを取り戻すことは大事です。いまの時点でできないことは、嘆いてもしょうがないのだから、易しいレベルに戻って正直にやり直す。これは恥ずべきことではありません。東京大学ではいま、教養学部に事実上、高校課程の補習講座が設けられています。つまり、日本一難しいとされる東大入試に合格した学生の中にも、高校レベルの学力の欠損があるものがいる、ということなんですね。それに気づいていて、補習を行っているのは、さすが東大の優れているところですね。
p63
これは恐ろしい話です。日露関係の歴史を紐解けば、トラブルの相当部分は通訳ミスから起きています。
p64
英語は全くできないけれど、他の語学は抜群にできるなんて日本人は、まずいません。
p69
人間は嫌いで意味がないことは、絶対に記憶に定着しないんです。
p70
教師ができることは簡単かつ限られていて、それは学生への動機付けです。この動機付けが上手くできるか否かが、よい教師かどうかの踏絵になるのです。
p86
短い時間でギュッと集中して記憶して、それを再現するという訓練。これを繰り返すと、忘れなくなります。
p86
文脈とか、脈絡で覚えて行くんじゃなくて、ベタに記憶して行く。短時間で覚えて、それをすぐに復元してみる。それを何回かやると、記憶に完全に定着する。ただ見るだけでもいいし、手を使って鉛筆で書いてみてもいい。とにかく、いろいろなやり方を試して、自分にあった方法を身につけて下さい。
p86
差出人の自分の名前を名字だけにしたり、相手の名前も名字だけ書くのは無礼だからね。
p93
神学の研究者になぜ数学的な発想が必要なのか。論理的な思考力と直結するからです。また統計処理も聖書解釈には欠かせません。ある用語がどんな文脈で、何回用いられているかを分析する際には求められます。
p100
司法試験は世間で思われているほど難しい試験じゃありません。
p103
大学院は偏差値でいったら学部より 10 から 15、みんな下がります。
p103
逆に簡単に入れるだけに、目に見えないバリアが大学院内にあって、基本的には「プロパー優先」です。つまり院生は、学部上がりの「譜代」と、他学部から来た「外様」に分かれていて、「譜代」の人しか大学に残す教育をしません。
p106
国連公用語はいくつかあるけど、そのうち英語とフランス語は特別扱いです。基本的にフランス語でのやりとりには通訳はつきません。これが日本人が国連に行ったときの、最大のハンデになっています。
p120
よく他人の翻訳に文句をつける人がいますね。ただ、他人の翻訳に文句をつけるのは簡単で、自分で訳す場合の十分の一ぐらいの力でできる。
p135
インテリというのは、やっぱり一つの階級です。別の言い方をするなら、読書人階級。つまり、日常的に読書をしている人たちのことを指す。
p161
なんやかんや言ったって、日本で語学が一番良くできる専門家集団は外務省です。
p200
パウロ的なキリスト教の特徴の一つに、時間の管理がうるさいことがある。時間も神様から与えられているものだから、それは、神様の栄光のために使わないといけない。
p201
この「受けるよりは与える方が幸いである」ということは、聖書の中に対応する言葉がどこにもありません。パウロしか知らない言葉です。
p203
イエスというのは重要なことを全部、たとえでしか言いません。
p213
学生である皆さんがいま持っているもっとも貴重な資源は、時間です。そもそも学問に必要なのは何だと思う? 「時間と金」です。
p214
残念ながら日本の数学力は全体的にものすごく低下しています。でも裏返すと、そのお陰で上位3パーセントへの入場券が手に入るわけです。
pp226-227
本当に研究したいテーマがあるなら、新聞記者、総合商社、中央官庁、シンクタンクなど、勉強することを推奨する環境に就職すれば、仕事をしながら研究を継続することは可能です。
p233
私がいう良い環境とは、勉強することを推奨する体質がある職場のことです。たとえば、出版社なら、勉強するのを冷やかすような体質とか、少なくとも本を読んでいると「なんだ、本ばっかり読みやがって」と言われることはありません。これは外務省も同じだし、総合商社も基本的にそうです。なぜなら勉強することが、本人と仕事、ひいては会社や役所に力を与えるからです。
p235
学生時代のあり余る時間を、目の前の 300 万円のためにバイトに使うよりも、40 歳で年収 1000 万円稼げるような企業に入るための勉強につかえばどうなるだろう? それは時給 1500 円じゃなくて、時給 5000 円ぐらいの価値のあることなんだ。
p246
要するに役所も企業も、勤勉でない人を採りたくない。
p259
プロテスタンティズムの強みは、体系的なるものを壊していくというところにあるので、本来は動的なのです。
p309
巡回司祭とは、ふだん教会で顔を合わせない分、気安くいろんな悩みを聞いてくれるので、信者たちもみんな巡回司祭とは会いたがるものです。