[読書メモ]『気づいたら先頭に立っていた日本経済』
- 読書
- 2017/12/13 Wed 06:18
p55
筆者は中国人が訪ねてきてくれた時は、紙コップでもいいから温かいお茶を出すべし、と思っている。日本文化はお寿司を中心に、温かくないご飯をおいしく食べる術を多数用意しているが、あらゆる食材に火を通す中華料理で育った人たちは、これとは違う価値観を有している。
p55
鉄道には「4時間の壁」というものが存在する。4時間を超えると、座っているのがしんどくなるので、「やっぱ飛行機にするわ」と判断する旅客が増える。東京から行くと、ちょうど広島あたりがこれに該当する。広島空港は広島市から遠くてちょっと不便、という点がさらに微妙で、広島出張の際に新幹線で行くか、飛行機を使うかは悩ましい選択となる。
p59
昔ながらの KDD 経営(勘と度胸とどんぶり感情)
p60
家の中はもうモノで一杯であっても、思い出はいくら増えても置き場には困らない。
pp66-67
旅先からアップする写真は話題性があって、希少性があって、なおかつ反感を買わない程度の場所であることが望ましい。
p67
この本の目的は、「遊ぶことが経済活動の中心となる」世界を考えてみることにある。フェイスブックは社交をビジネスにしてしまった画期的な会社である。なおかつ、顧客からはカネを取らない。カネは広告費という形で企業から取る。古い言葉で言えば、B2C ではなくて B2B である。だからユーザーが増えやすい。そしてユーザーが増えれば増えるほど、同社の有用性は高まる。まことに優れたビジネスモデルと言えよう。/とはいえ、この世にフリーのランチはない。フェイスブックのユーザーは、自分のプライバシーに関する情報をせっせと書き込んで会社に献上してしまう。同社はその情報に基づいて、ユーザーに対してさまざまな広告を投じてくる。
p72
何より我が国の新幹線は、これだけ長く運用されていて死亡事故を1件も起こしていない。
p89
人口が減少するこれからの日本社会においては、今いる日本人の移動速度を上げることが肝心である。特に地方経済は、古くからいる人同士でアイデアも枯渇していることが多い。国内の人の移動を加速するもっとも手っ取り早い手法は「観光」である。
p90
人は訪れたことがある場所は大概は好きになるものである。人の移動を推進するツーリズムは、相互理解を深める平和産業でもある。
p113
欲しいとなったら、炎天下でも行列ができるのがこの業界です。その代わり、売れないおもちゃは半値にしたって売れません。
p113
おもちゃは基本的に子どもの数以上は売れません。
p116
高齢者向けの商品は気を遣います。易しいものを作ると侮辱されたように感じるらしいので、わざと難しく作らなければなりません。
p127
ゲームを行うプラットフォームが、専用ゲーム機ではなくてスマホになってしまうと、海外企業であるアップルやグーグルが顧客とのインターフェイスを独占してしまう。
p146
アメリカの映画産業は、あまりにも発展し過ぎていてつまらない。そこで日本の映画産業の現状について調べてみると、こちらは拍子抜けするくらい小さな市場なのであった。
p159
「金融危機は傲慢さと無知が原因で起こっている」し、「今回だけは違う、と言っているうちに深刻な事態に立ち至る」
p160
世の中では、ギャンブラーはどんどん少数派に転落している。
p231
こういうとき最近の筆者の常として、ググったり文献を探したりする前に、いきなり伊能忠敬記念館に行ってみたくなる。