[読書メモ]『毒になる親』
- 読書
- 2017/12/06 Wed 06:14
p9
世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子供の人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる。
p18
彼女はそのようにして心の奥にたまった怒りにエネルギーを注ぐことによって、人生のほかの部分で必要としているエネルギーを失っていたのだ。
pp18-19
自分を守るすべを知らない子供だったときに親からされたことに対して、あなたに責任はない。
p19
大人としてのあなたの責任とは、現在自分が抱えている問題に対していますぐ建設的な対策を講じ、問題を解決する努力をすることなのである。
p41
このような「理由づけ」には、どれには共通しているひとつのことがある。それは、本当は納得できないことを、無理やり自分に納得させるために行うということである。
p64
もしあなたが「義務を果たさない親」の子供だったなら、あなたは「親が抱えている問題の責任は、彼ら自身にある」ということを知らないまま成長していいる可能性がある。
p68
コントロールしたがる親の多くは自分が必要とされなくなることを恐れているため、子供の心のなかに非力感を植え付け、それが永久に消えないようにと望む。
p72
コントロールしたがる親に育てられた子供は、小さな時から抑えつけられてきたフラストレーションと怒りが心の奥にたまっており、そのためにほかの人間をコントロールしたがるようになることがよくある。結婚生活においてもそれは例外ではない。
p85
私はこのような反抗を「自滅的な反抗」と呼んでいる。みずから自分をつぶしてしまう反抗と、いいなりになることとは、実は同じコインの両面なのである。
pp102-103
彼女の母は、息が詰まりそうになるほど優しいかと思うと、信じられないほど残酷になったりしたが、それはその時の気分や飲酒の量、そして彼女の言葉を借りれば、月の満ち欠けと関係があったという。
p103
どんな親でも、言うことがいつも完全に一貫しているというのは不可能に違いない。だが、ある日は「いい」と言い、つぎの日には「ダメ」と言うパターンは、アルコール中毒の親には特に顕著にあらわれる。
p115
小さな子供は、ジョークと本当のことを区別することがまだできないし、脅しとからかいの違もわからない。
p122
思春期の情緒不安定な時期こそ、子供は愛情のある親の支えが必要である。それがその子供を自信ある大人へと成長させるのだ。
pp124-125
間違えたり失敗したりすることは、子供の心が健康に成長するためには必要なプロセスである。子供はそういう体験をすることによって、多少の失敗をしてもそれがこの世の終わりではないことを学び、その結果、経験したことのない新しいことにもチャレンジできる自信を身につけていく。
p142
体罰は一時的に抑えつける効果があるだけで、子供の心には強い怒りや復讐心、自己嫌悪、大人に対する不信感などを生じさせ、むしろ障害になるというのが事実なのだ。
p161
たとえ親がアル中であろうが、いつも失業していようが、暴力的な人間であろうが、世の人は子供の言うことより親のほうが信用できるとつい考えてしまう傾向があるのである。ましてその親がちゃんと仕事をしていたり、社会に認められる地位にある場合には、子供の言うことなどまったく聞いてもらえなくても不思議ではない。
pp175-176
子供にとっては、この “家族というシステム” が現実世界のすべてである。子供はそこで教えられた通りの見方で世界を見、その体験をもとに、「自分はだれなのか」「自分を取り巻く世界はどういうものか」「ほかの人間にはどのように対応し行動したらよいか」などのことを判断していく。
p192
理解は変革への第一歩だ。
p196
あなたが自分に対して良好な感情を持ち、自滅的な人生を建設的なものに変えるためには、必ずしも親を許す必要はないのである。
p198
復讐心というのはだれもが抱くことのあるとてもノーマルな感情ではあるが、人間の行動の動機としてはとてもネガティブである。
p200
多くの人をカウンセリングして私が気づいたもうひとつの点は、真実を見つめて問題に取り組むというのは非常につらい作業であるため、その苦しさから逃れるために「許し」に逃げ込んでしまう人がいるということだった。
p203
誤解がないようにつけ加えておきたいのが、私はけっして「親を許すな」と言っているのではない。本当に許すことができるのなら、それはかまわない。だがそれは「心の大掃除」という長い道のりを経て、すべての整理がついたうえで、最後の結論としてそうなるのでなくてはならないということなのである。まず最初に「許さなくてはすべてがはじまらない」というのでは、順序が逆なのだ。
p221
いままでの人生ですでに身についてしまっている生き方のパターンは、それがよくないからといってもそう簡単にすぐ変えられるものではない。
p225
習慣化している行動のパターンを変えるというのはだれにとっても簡単なことではないが、常にそのことを忘れず、あきらめずに続ければ、不可能ではない。
p233
相手が変わるか変わらないかは重要なことではない。大切なのはあなたが変わることであり、あなたは相手の反応がどうであるかには無関係に、自分の力だけで過去のパターンから変わっていくのである。
p247
男性は自分をごまかさずに、“深く嘆き悲しむ” 練習をするとよい。
p260
手紙などあまり書いたことがないという人も多いだろうが、この方法は対面して話をするのとほぼ同じくらいの効果がある。
p264
くり返すが、この話し合いで忘れてならない大切なことは、親の反応がどうであるかではなく、あなたがどう対応するかということなのだ。
p310
あなたが自立すればするほど、「毒になる親」はそれを好まないだろう。物事が現状から変わりそうになると脅威を感じるのが「毒になる親」の特質であることを思い出してほしい。
【日本語が分かりにくい箇所】
p171
うつ状態になるのはまれではない。
→「まれではない」と否定語のような言葉が重なると意味が分かりにくくなる。