私が mixi も悪くないなと思ったわけ

私は東浩紀さんの『弱いつながり』を読んだとき、すごく感銘を受けた。それは、自分が「旅人」「旅行者」としての生き方に共感を持てたからである。どこかにとどまるよりも、可能性を求めて渡り歩いていきたい。それが私の生き方なのだ。

そういう旅人にとって嫌なのが閉鎖的な人間関係や内輪話だ。よそ者を寄せ付けない雰囲気を出している集団に旅人は近寄りづらい。サラリーマンを辞めたのも、村社会的な会社の人間関係にウンザリしたのも一つの理由だ。読書会の運営に関わるようになって個人的に目指していたのは、オープンな会である。「仲間うち」感は極力排除して、初めての人にとって取っつきやすい会を目指していた。排他的で仲間だけでがガッチリ固まっている集団は、自ら可能性を閉じている。

その意味で、誰でも閲覧できるオープンな形式での情報発信をしたいので、mixi や Facebook で日記を書くのではなくブログをフルに使っているし、SNS はオープンな Twitter が好き。Facebook やら mixi やらは(使い方にもよるが)リアルな人間関係の枠を出にくい。

そんな感じで、SNS は Twitter を好み、Facebook やら mixi とは距離を置いていた。しかし、ここ1年読書会に参加するようになり、さらに運営にも関わるようになると mixi や Facebook の活用が求められた。読書会のコミュニティーは mixi をベースにしているし、運営の業務連絡には Facebook が使われている。

Facebook はちゃんと使うのが初めてだったので、いろいろと使ってくうちに「うまくやっていく」コツが分かってきた。例えば「いいね!」を押すかどうか、押すタイミングはいつがいいかとか、Facebook 独特の空気があることに気付く。その空気があることに窮屈感を感じる人もいるかもしれないが、コツを掴めばオフラインの関係とスムーズに橋渡しできて、確かに便利なツールだと思った。

mixi はその点厄介だ。読書会参加者の交流の場として推奨されているだけで、やりたくなければやらなくてもいい。

Facebook もそうだけど、mixi はゴチャゴチャしすぎだ。Twitter はシンプルだから好き。Facebook や mixi はあれこれ機能が多すぎて(だから「個別ルール」もどんどん増えていく)、「面倒くさそう」という印象がある。「足あと」という、自分がどのページを見たかというプライベート情報を人に見られるのも好きじゃない。

ただ、せっかく読書会の交流として使えるわけだし、とりあえず Twitter のフィードを自動で流すようにした(mixi そのものでつぶやいているのではなく、Twitter のつぶやきを転送している)。所詮、月一回の読書会では相手のことを表面的にしか知ることができない。だから、普段何を考えているかをネット上で伝えることができたら、読書会での関係を円滑にできるのではないか。

そのためには読書会の人と「マイミク」になるのが手っ取り早い。マイミクとは相手の投稿が読める関係になることだ(正確には、つぶやきを一般公開していたら誰でも読めるが、つぶやきをマイミク向けだけにしていたらマイミクしか読めない)。

マイミクになるには、マイミクになりたい相手に「申請」をし、それが「承認」されなければならない。Twitter のように「フォロー」ボタンを押したら相手の投稿が読めるようになるようなお手軽感がない。そこが mixi のハードルの高さだ。

だから「マイミク」申請にはつい最近まで自分の中で心理的なブロックがあったんです。自分から申請せず、誰かに申請されるのを待つだけだから、ほとんどマイミクは増えない。マイミクが増えないから mixi を一面的にしか使えない。だから「mixi、ツマンネ」となるわけ。

しかし、ここ1、2ヶ月でアティチュード(自分の意識、態度)を変えることにしたんだ。自分を成長させるためにはアティチュードを定期的に、積極的に変えていく必要がある。自分の中で NG だと思っていたこと、タブーだと思っていたことにもどんどん挑戦していく必要がある(ただし、やりたくないことはしなくていい)。よくよく考えれば、マイミク申請なんて簡単でしょ。ただ申請ボタンを押すだけ(メッセージを付けたりもするけど)。こんなことに躊躇するのはもったいない。

そんなわけで、まずは読書会で同じグループになった人には “機械的に” マイミク申請することにした。何も考えずとりあえずマイミク申請。この人、苦手だなと思った相手でもマイミク申請。ちょっとお話をした人にもマイミク申請。余計なことは何も考えず、マイミク申請! 読書会の次の日にはマイミク申請するのを習慣化させた。

みんなが mixi に参加しているわけではないので、マイミク申請するといっても月に数人程度だけど、そのおかげでマイミクは少しずつ増えている(通常、申請したらみんな承認してくれるし)。

マイミクが増えるといいことは、前述の通り、自分の投稿を読んでもらえるので、話し下手の私でもどんな人かを伝えることができる。

そして、マイミクになった人の名前は覚えやすい。これは意外と大事! 読書会では相手の名前を覚えるだけで、親近感がぐっと湧いて、人と話す緊張がほぐれる(コミュニケーションが苦手な人は、相手の名前を覚えることに集中するといいよ)。名前を覚えるのが苦手な私でも、mixi に相手のつぶやきが流れるのを見るだけで、すぐに名前を覚えられる。

マイミクが増えると、なんだか mixi が楽しくなってきました!

これは Twitter とも Facebook とも違う感覚だ。Twitter のフォローは結局一方的な行為だし、Facebook の「友達」はもともとオフラインの関係が前提になっている気がする(使い方にもよるけど)。mixi のマイミクは「知り合い」から「仲良し」に関係性を変える可能性を持っている。

単純なことだけど、mixi を楽しむならマイミクを増やせばいいんです。

とりあえず読書会では、同じグループになった人、話をした人、そして運営係であるサポーターにどんどんマイミク申請しよう! そして、mixi は読書会専用として使えばいい。

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