[読書メモ]『ゲンロン0 観光客の哲学』
- 読書
- 2017/08/27 Sun 07:08
p9
誤配こそが社会をつくり連帯をつくる。
p21
世界はいま、かつてなく観光客に満たされ始めている。
p26
クックは、観光を通じて大衆を啓蒙し、社会をよくすることができると本気で信じた人物だった。近代観光の歴史はその信念から始まっている。
p33
いまや世界は急速に均質になりつつあるということである。
p48
あらゆる作品は、「ほかの消費者がその作品をどう評価するか」、そして「自分がこの作品に評価を与えたとして、ほかの消費者は自分のその評価についてどう考えるか」といった、「他者の視線」を内包したかたちで消費されることになる。/それは理論的には、かつてケインズが「美人投票」の例で語り、ルネ・ジラールが「欲望の三角形」という言葉で語り、社会システム理論が「二重の偶有性」と命名した現象である。
p53
『福島第一原発観光地化計画』への批判はほとんどが内容に関するものではなかった。多くが「観光地化」という名称に基づく単純な誤解、あるいはそこから連想を重ねた抽象で、反論に値するものではなかった。
p58
復興事業は生々しい利益が絡む世界である。
p95
ひとは、普遍的な意志を特殊な意志として内面化することで、はじめて精神的に成熟し「人間」となる。
p105
コンビニ店員と客の関係は、人間と人間の関係というより機械と人間の関係に似ている。
p119
ぼくたちはいま、食べるもの、着るもの、見るもの、聴くもの、ほぼすべての商品が、国境を越えて、つまりネーションなど存在しないかのように流通している時代に生きている。
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