日本のけん玉の世界をリードする組織として、日本けん玉協会と GLOKEN がある。

前者は老舗の組織であり、先日私も受審したけん玉認定試験を管理しているところだ。

けん玉認定試験(初段)を受けてきた – 読書ナリ
https://dokusho.nary.cc/2017/07/16/gettin-kendama-1st-dan-grade/

一方で GLOKEN は世界のけん玉を意識した、ストリート系のけん玉活動を中心とした組織だ。けん玉について知っていると、日本けん玉協会と GLOKEN は仲が悪いと分かってきたりする。私としてはどっち寄りでもない。日本けん玉協会は老害だし、GLOKEN のストリート系ゆえのヤンキーっぽさが好きじゃない。だが、けん玉プレイヤーの中には両方をうまく渡り歩いている人もいるようだ。

GLOKEN が主催する大会として、毎年7月に開かれる「けん玉ワールドカップ」がある。けん玉発祥の街、広島県廿日市市でが開催される。けん玉協会の大会はどう見てもガラパゴス化しているが、けん玉ワールドカップは世界中のプレイヤーがやってくる活気ある大会だ。

けん玉ワールドカップ | GLOKEN 日本語
https://www.gloken.net/jp/kwc/

大会は2日間行われるが、当日の様子は YouTube でライブ配信される。同時にその動画は後日 YouTube で公開される。ということで、YouTube の動画を見てみた。ちなみに去年の大会も去年 YouTube で視聴している。

WOODONE Kendama World Cup Hatsukaichi2017【Day 1】 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XS2mcasEnNE

WOODONE Kendama World Cup Hatsukaichi2017【Day 2】 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lAURtao3y1o

1日目の動画は6時間、2日目は 10 時間だから、普通に見たらものすごい時間が掛かります。私はどうでもいいところはスキップしたり、2倍速再生をしたりした。ミニゲームなどはどうでもいいので飛ばした。でも、決勝戦の様子は1倍速で普通に鑑賞。技のタイミングなどは早送りじゃ分からないからね。

映像の画質は 480p であまり高くないが十分に楽しめた。

すごい技ばかりでビックリするんだけど、ずっと見ているとだんだん麻痺してくる。それが普通に思えてきて、見ているだけで自分もけん玉がうまくなる気がする。これは意外と大事なことだ。例えば速読だって「自分には無理」と思っていても、目の前で(あるいは YouTube 動画で)速読する人を見ると、「読もうと思えばこれぐらいで読めるんだ」と思ったりする。それがブレイクスルーになることもある。

さて、何よりけん玉という日本のおもちゃを、世界中のプレイヤーが熱狂してプレイしているのは、よく考えるとすごいことではないか。日本から発信してこれほど成功するものは、アニメ・マンガ以外あまりないじゃないですか。

基本的に海外ではけん玉をストリート系スポーツと考えられているようだ。入れ墨をしてキャップを被っていたりしてる感じで分かると思う。アニメ・マンガ的なオタクカルチャーとは違う。

一方で今回は日本の「ザ・けん玉クラブ」のようなスタイルで参加する女の子もよかった。きっちり丁寧に技をキメるので、海外のある種荒々しいプレイと違って「美しい」と思えた。

動画は長いので全部見るのは大変だけど、2日目の決勝戦部分だけでもオススメなので見てみるといい。

優勝したのは初の日本人(これまでずっと外国人だった)。優勝者の賞金は 50 万円! ティーネージャーの男子が優勝していたが、ティーネージャーには大金だ。泣いて喜んでいたのがかわいい。去年も、優勝したアメリカ人の少年は泣いていた。みんな一生懸命練習したんだね。

また、同時に「とめけん」の世界記録を目指すギネス申請も行われた。とめけんを一斉に行い、成功者の人数の記録を更新するのだ。ギネスの委員の人がやってきて判定をするその過程を見るのが、これまたなかなか面白かった。