私の特技の一つがけん玉である。

小学生の頃けん玉名人の技を見て以来、けん玉に夢中になった。小学校のけん玉クラブに入ったりもした。ティーネージャーになるとあまりけん玉をしなくなったが、それでも実家のリビングルームにけん玉を置いていたので、テレビを見ながらけん玉をしたりして、結局ずっとけん玉に触っていた。

大学生になって一人暮らしを始めるとけん玉はしなくなった。ところが、数年前からまたやり始めたのだ。きっかけは忘れたけれど、世界の KENDAMA ブームの影響を受けたのかもしれない。

そうして、去年は初めて認定試験を受けた。けん玉には認定試験というものがあり、10 級から始まり、6段まである(正確には8段まであるが、7、8段はけん玉の社会的貢献が必要なので、実力だけでは取れないようになっている)。児童館などで非公式の認定を受けたことはあったが、公式の試験を受けたのは初めてだった。そこで1級を取得。同時に、「認定ライセンス(普及員)」を取得し、級位と準初段の審査が行えるようになった。

2ヶ月ほどして、さらに上の初段を受審。しかし、緊張のせいか、比較的得意なはずの「宇宙一周」で失敗し不合格・・・。1級の時も結構緊張していたが、私の実力なら合格できた。だが、それ以上の段位では緊張しすぎると合格は厳しくなるようだ。

そして現在に至る。

けん玉の認定試験は、全国各地のけん玉教室に行くと審査員の資格を持つ人がいるはずなのでそこで受けられる。あるいは、年に何度か開催される全国大会で、けん玉認定会が行われることが多いのでそこに行けばいい。全国大会は東京や大阪で行われることが多い。

名古屋に住む私はけん玉教室に行くのが簡単だ。だけど、けん玉教室はチビッ子が多い気がして、アラサーの私がそこに入り込むのは結構勇気がいる(実際は大人もいるだろうけど)。だから、私は今のところ全国大会で開かれる認定会に参加するようにしているのだ。全国大会はそう頻繁に開かれない。今回の受審は1年ぶりなのだ。

今回開かれたのは日本けん玉協会主催の「JKAワールドオープンけん玉フェスタ」。毎年行われている。一応世界大会ということになっているが、出場者はほとんどが日本人だ。

JKA WORLD OPEN KENDAMA FESTA – JKAワールドオープンけん玉フェスタ
http://kendama-festa.net/

実を言うと、今回の認定会に行くつもりはなかった。確かにけん玉の段位を取得できたらいいなと思っていたけど、わざわざ「人に認めてもらう」必要があるのだろうか。自分で技術を磨けばいいだけのことで、試験なんてバカバカしい。

それに、けん玉協会という組織が好きじゃない。何度かけん玉協会の人を見てきて、権威主義的で「けん玉協会様だぞ」という態度が嫌な感じだから。それに関連するんだろうけど、運営が雑なんだよ。客目線に立って考えていない。彼らのイベントに参加すると、放置されてる感じがあって居心地が悪いのだ。運営に意見を言える若い人がいないのも原因だと思う。

そんなわけで「もうけん玉認定試験なんて受けないぞ」と思っていたんだけど、開催数日前になって「まあ、行ってこようかな☆」という気になって、急遽行くことにしたのだ。まあ、実際いつでも受審できるように、毎日けん玉は練習していたしね。

会場は東京の台東リバーサイドスポーツセンターだ。最寄りの浅草駅からでも徒歩 12 分ほどかかる。東京駅から山手線で上野駅に行き、銀座線で浅草駅に行って、そこから徒歩で行くつもりだった。朝名古屋を出て、東京に着いて昼食を食べてから行こうと思っていたけど、受審を先延ばしにするとますます緊張してしまうかもしれないと思い、東京に着いてからすぐに会場へ行くことにした。急がないと午前の認定会に間に合わなさそうだったので、上野駅からはタクシーで行った。

JKAワールドオープンけん玉フェスタは4階で行われているが、認定会は3階の会議室だった。11:30 ごろ到着するとすでに何人か受審中で、待っている人もいた。受審に来ていたのは、小学生ぐらいから、大学生や 25 歳ぐらいの社会人の人もいた。

そして、意外と他の人の受審が時間が掛かって(書類を書いたり、説明の時間があったりするから)、気が付いたら 12:20 近くになっており、昼休憩になってしまった(午前の部は本来は 12:00 まで)。せっかく早く来たけど、13:00 まで待たなければいけなかった。午前の部に間に合うように急いでタクシーに乗って来る必要はなかったが、12 分歩いて汗だくになるよりはましなので、よしとしよう。

でも他の人が受審している間や休憩時間はじっくり練習できた。けん玉は直前の練習が結構大事だったりする。コンディションを作れるからね。そして身体が温まって緊張がほぐれてくる。練習しすぎて暇になってきたので、今回の受審とは関係ない技を練習したりもした。自宅のマンションだと思いっきり練習できないから、こういう時がチャンスなんだよ。

そして私の番が来た。本来はその場で受審申込書を書くんだけど、私は去年けん玉協会に入会していたので申込書のデータを持っていたので(会員サイトでダウンロードできる)、あらかじめ自宅で記入したのを持ってきた。

受審は2人同時だった。私と同じ初段を受ける小学生がいたからね。他の人と同時に受けると、比べちゃうから焦るよ・・・。なるべく目線をそらそうとよその方に身体を向けたら、正面を向くように注意された。今回は主査と副査の2人がいて、一人はちょっとうるさい感じの人だった。去年受けたときは、優しいお兄さんで細かい気配りをしてくれる人だったので、今回はハズレかも。

また、今回は受審前に「けん玉検査」があった。けん玉認定試験は「認定けん玉」と呼ばれる正式なけん玉で受審する必要がある。さらに、改造も許されていない。もちろんちゃんと通過した。ちなみに、過去に2度受審しした時は、両方ともけん玉検査はなかった。

初段の技は以下である。

世界一周 4回
灯台 4回
けん先すべり 3回
地球まわし 3回
さか落とし 2回
うらふりけん 2回
宇宙一周 1回
うぐいす 1回
つるしとめけん 1回
はねけん 1回
もしかめ 200 回
(もしかめ以外は 10 回中)

もしかめ以外の技は以下を参考にしていただきたい。

もしかめに関しては、今回受審する段位の回数を超える過去の記録があれば免除される。私は1級を受審した際に 1000 回の記録があるので、今回は免除された。

さて、結果はというと__

合格しました!!!

1年越しのリベンジ!

詳細は以下のような感じだった。

世界一周 oooo
灯台 oooo
けん先すべり xooo
地球まわし oxoo
さか落とし oxo
うらふりけん oxo
宇宙一周 xxo
うぐいす o
つるしとめけん o
はねけん xxxxxxo
(o:成功 x:失敗)

最後のはねけんが危なかった〜〜。一番苦手な技で、10 回中1回できればいいとはいえ、自信があまりなかった。なんとか7回目の挑戦で成功したから結構ギリギリだ。

ちなみに、同時に受審した小学生も合格していた。

今回は受審しながらいろいろ教えてもらえた。というか、間違ったやり方をしていると指摘されて、公式のやり方を教えてもらえた。私はけん玉教室などは通ったことがないので、すべて自己流だ。現在のように書籍が充実し、さらにネットで動画が見れたりして、簡単にけん玉の技を学べるのは最近のことなのだ。

たとえば、けん先すべりはけん先に玉を乗せる際に穴が完全にけんに接触していなければいけない。そこから滑らせてけんに玉を入れる。私は単にけん先に玉を乗せればいいものだと思っていた。

逆に、宇宙一周の最初のパートはけん先すべりのようにやってはいけない。宇宙一周の最初の部分は村一周である。玉をけん先に乗せて、玉を浮かせてけん先に入れる(滑らせて入れてはいけない)。

はねけんでは、飛行機の途中で手を動かしたと言われたが、私はこれは「いちゃもん」にすぎないと思う。審査員は大事なことを忘れている。けん玉の試験は落とすための試験じゃない。大学受験や就職試験じゃないんだから。受かってもらうための試験なのだ。いかに落とすかなんて考えてはいけない。結局はねけんは OK になった。

こんな感じで、技を教えてもらったり、いろいろ途中で審査員同士で議論したりして、普通に受ければ5分で済むものを 30 分ぐらい掛かっていた気がする。おかげで先延ばしにしていたランチが2時半ぐらいになったよ。

それにやはり2人同時はいけない。主査がそれぞれの受審者の技を見ていたとしても、副査は一人で2人分の技を見ていた。それは原理的に無理である。副査は結局どちらかしか見られない。1人の受審者に対し、1人の主査と1人の副査がいないと意味がない。主査の人が「今のはどう思います?」と副査に聞いて、「ごめん、反対側しか見ていなかった」なんて言っていた。ヤレヤレ。

今回よかったのが、あまり緊張しなかったこと。直前に十分練習できたせいだろうか。だんだん受審に慣れてきたせいだろうか。あるいは「緊張してもいい」「緊張するのが普通だ」と思うようにしたからかもしれない。

合格になり、認定書をもらうにはどうすればいいか。級位の場合はその場で発行してもらえる。お金も掛からない(けん玉教室で受審した場合は、お金が掛かることもある)。

段位の場合はどうなるか。けん玉教室で受審すると、審査員の署名の入った受審申込書をけん玉協会に郵送し、同時に段位登録料を入金すれば、認定証が届くようだ。ただし、今回は大会が開催されてけん玉協会の人が来ているので、その場で受審申込書を提出し、お金も支払うことで、後日認定証が郵送されるようになっている。

ということで、受審申込書を持って上のJKAワールドオープンけん玉フェスタをやっている会場の事務局へ行って手続きをした(事務局へ行く際も、場所が分かりずらかった。看板すら出していない。ヤレヤレ)。

ところで段位登録料はいくらか。初段の場合、日本けん玉協会会員は 4,000 円、非会員は 6,000 円だ。私は去年は会員だったが今年は入会していない(入会のメリットがほとんどないから)。この場で入会して入会料の 5,000 円に加えて段位登録料の 4,000 円を払うこともできるが、私は非会員料金で登録料を払った。私は払うべきものにはお金を払うことには躊躇しない。しかし、日本けん玉協会のウェブサイトのクオリティーや、イベントでの運営のクオリティーを考えると、この入会料や段位登録料はボッタクリのレベルだと思う。認定証も送ってくるのはどうせ1ヶ月後ぐらいだろう。ヤレヤレ。

とはいいつつも、年に一度ぐらいはけん玉認定試験を受けてもいいかな。ただ、次の弐段は初段と同じ技で、規定回数が増えるだけだからあまり面白くなかったりする。まあ、気が向いたらまた受審しましょう。